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マシュー・ボーン IN CINEMA/ロミオとジュリエットのtetsuのレビュー・感想・評価

4.1
『ロミオとジュリエット』の映画作品を追いたくなり、鑑賞。

[解説]
斬新な解釈によって、数々の古典的名作を蘇らせてきたバレエ演出の奇才・マシュー・ボーンが手掛けた『ロミオとジュリエット』。
近未来、反抗的な若者たちが収容される特殊な施設を舞台に、新たな物語が描かれる。

[感想]
冒頭数十分、全く『ロミオとジュリエット』ではないし、なんなら原作の大枠であった「いがみ合う両家の争い」という部分も消えているため、「これ、一体、どうなるんだ……?」と思っていると、しっかり、ラストには『ロミオとジュリエット』になっているという不思議。笑

黒人カップルやゲイカップルの登場、性的暴行を受けるジュリエットの設定など、現代的視点を踏まえた上で、見事にアップデートされた物語。

アレンジ要素が組み込まれたことによって、原作とは異なる展開を迎え、結末へと雪崩れ込む秀逸なクライマックスには、胸を打たれました。

また、衣装面の工夫も素晴らしい!
主人公たちの白服と対比するように、悪役刑務官が黒服を着ていたり、白い衣装のおかげで、より血の赤色が際立っていたりと、シンプルながらも工夫が凝らされている部分には、舞台劇ならではの魅力を感じました。

台詞なしで90分間ひたすらダンス&音楽のみという作品は今回初めて観ましたが、それでも楽しめる、さすがの名作。

2人がキスをしながら、舞台上をローリングしまくる序盤のイチャイチャシーンには何だか美しさを超えて、ある種の滑稽ささえ感じてしまいました(←感性が死んでいる。笑)が、これまで観た『ロミオとジュリエット』の映像化作品では、間違いなくベストと言える傑作でした。

[特徴]
・バレエ(台詞なし)
・カラー
・実際の舞台を再現して撮影