ロアー

マシュー・ボーン IN CINEMA/ロミオとジュリエットのロアーのレビュー・感想・評価

4.2
斬新な解釈や演出でお馴染み、バレエ界の鬼才マシュー・ボーンの「ロミジュリ」 を観てきました。

実は私、バス・ラーマン監督が好きと言いつつディカの「ロミジュリ」を観てなくて、原作も読んでなくて、大体のあらすじは知っていたものの今回がロミジュリほぼ初体験でした。果たしてロミジュリの入り口がマシュボでいいのか。舞台は近未来の若者矯正施設で、ロミジュリの仲を引き裂くのはジュリエットを手込めにしたキモい看守という設定なのに・・・

この看守がマッチョなクズゴリラなんですけど、ホントクズでクズでキモくてカーテンコールでブーイングされるほどでした(「あんたの悪役最高だったぜ!」という意の褒めのブーイングと言うのを初めて聞いた)。

今回は、ストーリーというより恋、愛、喜び、悲しみ、苦悩と言った感情に重きのある作品だったので、これまで観てきたマシュボ演出作品の中で、1番コンテンポラリー・ダンスの要素が強かったように思います。言葉なくしても感情が伝わってくる力強いダンスが素晴らしかった。
恋に舞い上がる心境の時は、本当に飛んでるかのようにリフトでふわっと飛んでいて、重力を感じさせない軽やかさもお見事でした。キスシーンのダンスも散々焦らされた後だからか激しかった。

ロミジュリのお話が悲劇で終わるのは避けらないとして、斬新なマシュボ演出では方法も毒薬ではなく、真っ白な衣装が血で染まる惨劇のカーテンコールでした。美しく悲しいラストだったけど、思い切り踊って息を切らして目が爛々としてるところに血塗れなので、ちょ、怖っ!こんなカーテンコール観たことないw

そしてロミジュリ以上に気になってしまったマキューシオの悲恋。お調子者で好きだわ〜って一目で気に入ってしまったキャラだったんですが、ダンパにまさかのキルト姿で登場して完全に惚れました。翻るキルト最高!上半身裸×キルトまで披露してくれてて感謝しかない!
そしたらまさかの悲恋ですよ、マキューシオ〜〜〜〜!
看守ゴリラが最低過ぎて殺してやりたい。よくみたらマキューシオ、最後彼氏とぎゅっといわゆる恋人繋ぎしてて泣けました。泣き腫らしたかのような目元の赤いメイクも相まって、悲しみに狂ってしまった彼氏のダンスも鬼気迫るものがあってよかったです。
なので、私にとってはロミオとジュリエット、そしてマキューシオと彼氏の悲恋の物語でした。