藍住

キャンディマンの藍住のネタバレレビュー・内容・結末

キャンディマン(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

肌の色を理由に差別され、殺されそうな人間が目の前にいるのに見て見ぬフリをするな!!!!!と映画全てでぶん殴ってくる、あまりにも完璧な続編映画。
差別をしないでと呼びかける時代はとうの昔に終わった。
差別してはいけないし、許してもいけないのだ。

オープニングが完璧すぎて声を上げそうになってしまった。
映画は誰かの創作物だが現実の要素が少しでも入り込めば、途端に時代を映す鏡となる。
映画を観た人間は生きた証人になる。
この映画を観たのなら、もう貴方も知らなかったでは済まされない。

途中で挟まれる女子高生の話は多分白人による文化の盗用のメタファーなのだと思う。
あの女子高生はパンフレットがあるにもかかわらず読まず、アンソニーの作品が表したもの(キャンディマン)を知ろうともせず、ただ面白そうだから利用する。
キャンディマンは黒人の差別の歴史の概念そのものなのに。
きっとこういうことは今まで何回も何回も繰り返されている。
もしかしたら私も知らないうちに文化を盗用をしてしまっているかもしれない。
冷や水をかけられたかのように、ハッとさせられた。

1作目のストーリーを引き継ぎつつ、現代の物語として甦らせた監督の次回作がキャプテンマーベルの続編なのだから信頼しかない。
とてもとても良かった。
一応私は1作目を観てから本作を観たけど観なくても全然大丈夫だと思う。
ホラー要素はそこまで無い。
むしろグロテスクな描写の方がキツいくらいだった。
また、本国の公開から1ヶ月と少しくらいの時間差で(黒人の俳優がアカデミー賞助演男優賞を受賞してもDVDスルーされる日本で)日本公開になったのは珍しい気がするので、今後のためにも早く、今すぐ観て欲しい。

これは現代のアメリカの物語だ。
藍住

藍住