子持ちのカイロレン

日本侠客伝 関東篇の子持ちのカイロレンのレビュー・感想・評価

日本侠客伝 関東篇(1965年製作の映画)
4.5
 シリーズ第三作。関東大震災の翌年、臨時の魚河岸が作られた築地で、健さんは船に乗り遅れて行き場を失った少しドジな機関士役。前作同様、ヤクザ対ヤクザではなくヤクザ対カタギの怒り爆発篇。浪花篇と関東篇はその構図で姉妹作のようになっている。
 普段と違って裸の大将みたいな高倉健も面白いが、この作品は鶴田浩二がとにかく最高。カタギの人を「カタギさん」と呼んで、迷惑かけないよう心掛けてる優しいヤクザ。前作は終始仏頂面で不評だったのか、今作は登場時から満面の笑み。ヤクザを追っ払った後、必ずヤクザモードをオフに(しっかり身体の動きで表現)してからカタギの人に話し掛けにく感じとか堪らない。藤純子は魚卸屋店長の妹役で、あえて幼く演じてる感じで持ち前の所作の美しさを役柄上出せず、少し勿体ない気もする。でも今回も可愛いから💯
 前作ではあえてドスの一突きに集約させた殴り込みは、今度は戦争だ!とばかりに今作では大乱闘に発展。イケ面過ぎるおいしい役をゲットした丹波哲郎も参戦し、オールスターのエンドゲーム状態。鼻血出ます。