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晴れて今宵はのkyonのレビュー・感想・評価

晴れて今宵は(1942年製作の映画)
4.5
極上のミュージカル、アステアの華麗なるタップダンスとダンサーとしてのリタ・ヘイワースを堪能できる1作。

物語自体もすごく一貫していて、あまり知られてないけど良作!

この後にリタは『ギルダ』であの妖艶なギルダとして有名になるけど、この作品のイメージの延長線上にもありそう。

南米。アステア演じるダンサーの男は競馬でお金を擦ってしまい生計を得るために、ホテルのスカイバーに出演しようとオーナーの男に近づこうとする。

一方堅物で有名なオーナーは、4姉妹のうち、長女が結婚したことから次は次女のマリアを嫁がせようとする。下の三女四女はすでに婚約者がおり、こちらも姉のマリアには早く結婚してほしい模様。

一見交わらなさそうな物語のそれぞれの軸がオーナーのマリアに対する裏工作(夢見がちなマリアに、匿名の男性を装って花とメッセージを毎日17時に送りはじめたが、あるとき、ダンサーの男が配達してしまう)よって、ひょんなことからマリアはアステア演じるダンサーに恋に落ちることに。笑

マリア役はもちろんリタで、この女性がいわゆる知的で意思を持っている一筋縄ではいかない女性として描かれてて。そんなマリアが恋に落ちると急激に満ち満ちた恋する女性になる。
そこからは交わるように華麗なダンスによってお互いの存在を確認し合う2人。
裏工作の回収も上手くて、すごく観ているだけで笑って幸せな時間。

中でもやっぱりアイリーンデザインの衣装の数々にも見惚れた…。ミュージカルに限らず、なんかメインの女性がおめかししたりドレスアップしたり、はたまた変身したりする場面って、その姿をインする前の独特な間がある。

その間をへて、登場した女性の姿がどう見えるかって、その物語を信じさせるにたる核みたいな瞬間でもあるなぁなんて。

で、この作品のマリアはすごくキャラクターとしての説得力もあれば、ドレスアップは素敵。

妹たちとは意識的に描き分けられている衣装で、マリアだけカットや素材、明度が違うようにして目立つようにしてるイメージ。

ただ、ぱっと見だとデザイン自体は似ている雰囲気もある中で何がこんなに違うのかといえば、やっぱり素材なのかなあ。

マリアの衣装はサテンやレース、てろっとした素材が主な気がしていてそれがすごくリタの体型に合ってるんだよね。あとは動きに合わせて揺れ動くクリスタルやスパンコールもか。

だけど露出しないようにフィギュアスケートみたいな肌着のようなものがドレスについていたのはすごくプロダクション・コードを感じた◎

その中ではっとしたのは透けた黒いチュールに胸元だけレースのカッティングがされている姿。

ランジェリー感が強くて、リタのピンナップのイメージを加えたのかななんて思ったり…。

ミュージカルって衣装の結びつき強いなぁなんて気になってるけど、それはやっぱりダンスシーンに現れるのかなぁとか。

動きのために考えられた衣装は素材もデザインもそれありきで考えられるから、なんだかそこに物語との関連を見つけられたら繋がりそう…。観れて幸せでした。