【まとめシネマ】#563
【まとめ】
* 笑いたいけど、笑えないコメディ
* ラストの結論に、家族愛が凝縮
* ブラックユーモアの真髄
本作のコメディが、限りなくブラックだ。
物語は、レオナルド・ディカプリオとジェニファー・ローレンス演じる天文学者が地球を破壊するほどの巨大な彗星が地球に接近していることを、あらゆる手段を使って人類に警告する。半年後には人類が滅亡することが確実だというのに、政府や出版社、ワイドショーは全く聞く耳が無い。しかし、段々とその訴えが真実だと知った悪い大人は、その彗星を利用し始める。思わず笑いたくなるような滑稽なコメディだが、決して笑ってはいけない。このムズムズとした心境が、純度100%のブラックだ。
散々バカにされた物語の結論は、愛ある決断だ。
目の前に迫る彗星が刻一刻と近づき、人々は残りの人生を諦め始める。そんな中、レオナルド・ディカプリオとジェニファー・ローレンスの最期は家族愛が凝縮し、上空の悲劇を忘れた結末だ。
本作は、まさにブラックユーモアの真髄を思わせる作品だ。
久々にこんなに後味が悪い映画を観たが、描かれていることは限りなく真実に近い。人類の愚かさを味わい、反省し続けるブラックユーモアの真骨頂だ。