たにたに

ドント・ルック・アップのたにたにのネタバレレビュー・内容・結末

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

【コント:こんな政府じゃ地球は救えない】2022年13本目

約半年後に8〜9キロもの巨大彗星が地球に衝突する。ランドール博士(レオナルド・ディカプリオ)と大学院生のケイト(ジェニファー・ローレンス)は政府に取り合うも、米大統領は迫る選挙戦のことで頭がいっぱい。
今までどれだけの地球滅亡論があったと思う?と、本件に関しては"静観"とし、ネジの外れた大統領息子に不信感をいだきながらも守秘義務として扱われてしまう。
ケイトの彼氏のつてで、有名情報番組への出演が決まり、そこで彗星について全国民へ暴露するも、世間の関心は有名人の不倫などどうでも良いことばかり。
守秘義務違反の彼らは再びホワイトハウスへ召集。ようやく米政府が動く。大統領は地球を救う世界のリーダーとなって、世間の支持率を獲得する算段だ。兎にも角にも、対処してくれることに安堵するランドール博士たち。しかし、その裏で動く政府の巨額スポンサーの利益重視のエゴが立ちはだかる。


◉第一策「アメリカはヒーローがお好き」
近年のヒーロー映画ブームへの皮肉。
そして、まさに映画アルマゲドンのように、地球に迫る物体へのロケット発射。
帰還することはきっとない、犠牲の美徳化。まさに彗星の軌道を逸らす作戦は、エンタメとして盛り上がりを見せる。

◉第二策「巨大スポンサー、バッシュ現る」今や地球の資源として欠かせないレアアース。この彗星には、貴重なレアアースが豊富だとして、バッシュのCEO(マーク・ライランス)が舵を握ることに。
このマーク・ライランスの演技が、いい意味で気色悪い。特に視線がどこに向けてるのかわからないのが怖い。天下取った金持ちの道楽のよう。

◉空を見上げる派vs空を見ない派
ついに彗星の衝突が近づいてきた。
空を見上げると空に輝く彗星が。まさに恐ろしくも美しい。ドントルックアップの意味がここでわかる。
まさにこの二者の対立は、ムーブメントと化し、政治のエンタメ化が進む。
アリアナの歌、美しき。、

しかし、地球は。。、
なんて皮肉なことか。

最後のランドール一家の、落ち着きをはらう食卓が印象的だ。
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