TAK44マグナム

YUMMY ヤミーのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

YUMMY ヤミー(2019年製作の映画)
3.9
美を求めれば、その果てはゾン美。


今や全世界規模で量産され続けているゾンビ映画。
誰もが夢見てやまないゾンビパンデミックの始まりを描くという、なんとベルギー産の快作が日本へも上陸(レンタル開始)したというので「どんなものよ?」と謎の上から目線で鑑賞しました。
しかし、何でこれセル版は出ていないのでしょうか?


美容整形クリニックに胸を小さくしようとやってきた、はち切れんばかりの巨乳の持ち主な主人公女子。
その胸の大きさだけで自分を計られたり、奇異な眼で見られることに耐えられなくなった彼女は、母親、そして彼氏を伴ってクリニックを訪れます。
しかしそこでゾンビパンデミックが発生、絶望的な脱出劇が始まる・・・といったストーリーは吐いて捨てるほどあるものなのですが、「ブレインデッド」など過去の名作をリスペクトした姿勢は悪くないです。
基本はシリアスなのですが、ときおり笑いもインサートしてくる「処刑山」や「REC3」みたいなノリ。
特に酷い状況に陥るのを畳み掛ける終盤が最高で、どこかダウナーなテンションも作品のテイストにマッチしていると思いました。
正直、前半は狙いすぎな部分もあって乗り切れなかったのですが、後半にいくに従ってグチャグチャのゲロゲボになってくれるので非常に楽しめましたよ。
ゴア描写も要らないぐらいにキチンと見せてくれますし、思わずチンコももげる面白さを発揮(苦笑)


角度によってはネーヴ・キャンベルみたいに見える主人公も良いけれど、タトゥーの除去で来ていた女子が可愛かったですね。
ほんの一瞬だけオッパイが見えるのを見逃しはしませんでしたよ!
あと、ライアン・ゴズリングとジョセフ・ゴードン・レヴィットを足して2で割ったようなジャンキーも、状況をひっかき回す役目をうまくこなしていて良いキャラしていました。
男って、例えどんな世界になったとしても最終的には女性の胸に救いを求めるものなんだなと、何だか真理を悟ったような気がしたような、しないような・・・(苦笑)


映画の顔(アイコン)となるようなゾンビを作り出そうとしているように見えましたが、かつての「バタリアン」のオバンバやタールマンのような、とことん突き抜けたレベルにまでは達せず。
そのあたりは、もし次作があるならもっとブッ飛んだゾンビで驚かせてほしいですね。
総じて、既存の名作ゾンビに続けとばかりに頑張った感が感じられるのが微笑ましくて良かったです。
ただ、せっかく本作ならではのオリジナリティをだせそうな要素であった美容整形ネタ自体(主人公の巨乳も含めて)にあまり意味がなかったのは残念かもしれません。


レンタルDVDにて