とにかく古田新太のパワハラオヤジ演技、迫力が凄い。
町内に一人は必ずいる、こういう厄介なオヤジ。
対する松坂桃季の、気の弱い苦悩する演技も素晴らしい。
この映画の登場人物は、根っからの悪人はいない。
みんな善人で、どこか欠点がある人ばかり。
なので、突然の不幸に直面して、真実を追求しようにも、断罪しようにも、攻めるべき悪に辿り着くのは難しい。
実にリアルな加害者、被害者遺族の話だった。
加害者の贖罪と、遺族がそれを受け入れるかが、この映画のテーマだと思う。
マスコミ批判の仕方も上手い。
あと、ボランティアおばさん、寺島しのぶの描写も絶妙。
全ての演者、演出が素晴らしかった。