本作を観た回の上映中に数秒間、無音になったり聞き取れないほど音が小さくなったのが何回もあったので、古田新太ばりに「おい音が聞こえねえんだよ！どうなってんだよ！」「聞こえてただ？じゃあ聞こえてたって証拠出せよ！」ってことはもちろん言えずに映画館を出ました🥺
スーパーの化粧品売り場で万引きしようとした女子中学生は、現場を店長の青柳直人に見られたため思わず逃げ出し、そのまま国道に飛び出してトラックと乗用車にひかれて死亡してしまう。しかし、娘の父親はわが子の無実を信じて疑わなかった。娘の死に納得できず不信感を募らせた父親は、事故の関係者たちを次第に追い詰めていく。
チケット買うとき何故か『白日』って言いそうになった。King Gnuかな？やはり本作の見どころは古田新太演じる父親・充のブチ切れ演技ですよね。元妻の翔子はどんなきっかけでこの親父と結婚したんや。これが一番の謎だわ。W主演と言ってもいい松坂桃李の演技も相変わらず素晴らしいですね。
最初は充に気持ちの変化が訪れるまでが長いかな？と思いましたが、事故で娘を亡くした父親の心境としては理不尽とわかっていても切り替えられないでしょうから、必要な尺だと思いました。長い時間、色々な出来事が積み重なって気持ちが徐々に変わり始めた、というバランスですからね。何か大きな出来事があって急に心変わりするというのは嘘くさいので、そこのバランスが上手いと思いました。
脇役のキャストも良かった。野村麻純演じる花音を跳ねてしまった女性の震える声の演技が上手かったし、あの人はマジで可哀想としか言いようがない。あと学年主任なのかな？「今井先生、それはずるいですよ」の言い方すげームカつく。なんだこいつ。キャスト陣はみんな素晴らしくばっちりハマってましたね。
あと忘れちゃいけない、てか忘れようがないんだけど笑、寺島しのぶ演じる草加部さんね。事故前から、隙あらば桃李を狙っている野獣の眼光がまずいですよ！青柳と草加部のやりとりで凄く好きなとこがあって「貴方は正しいんだから！」に対する青柳の「正しいとか正しくないとか…しんどいんですよ」という台詞。マジで辛いときや苦しくて悩んでる時ほど正論は何の役にも立ちませんからね。
あとやっぱりマスコミは畜生だな、って思った（暴言）絶対レポーターに「おだてて笑顔引き出してよ」って言ったんだろうな。いまマスコミの偏向報道は目立ってきてるし、ここは考えさせられましたね。終盤で青柳に声かけてきた人も良かった。あの人の言葉こそが真の本音だと思う。ラストの絵のシーンも良かったし、自分ならどうするか考えさせる内容でありながらしっかりと面白い。自分が望む映画の理想的な作品でした。
