空白のtreeのネタバレレビュー・内容・結末

心にグッとくる映画。
まず、俳優陣の演技が見事に全員素晴らしかったです。特に、主演の古田新太さんの頑固親父はほんとにすごかった。ほんとにこんな人なんじゃないか？と思うくらいに演技が演技に見えないというか、本当に素晴らしかったです。娘が亡くなって狂ってしまったように周りの人に当たり散らかしていた所からだんだんと気持ちに整理がついてきて周りへの関わり方が変化していく感じがとても見事に表現されてました。そういう意味ではあのお父さんはあの事件をきっかけに前より成長していたのかも。
この物語はみんなが被害者で、どの人の目線に立ってもいたたまれない気持ちになる。(1番むごいことをしたトラックの運転手はよくわからんけど)それぞれの立場に立って物語を見ると、誰も悪意なんてなくて、誰も悪くないっていったらおかしいけど、みんなあの事故の被害者なんじゃないかなと。
自分の娘が花音ちゃんと同じ目にあったら私もお父さんと同じようにスーパーの店長や轢いた人を恨むと思うし、自分がスーパーの店長の立場だったら同じように万引きした花音ちゃんを追いかけたと思う。すごく難しいけど、最後の終わり方はとても良かったと思う。花音ちゃんは物静かで周りにあまり理解されず、家でも気を緩めることができなくて窮屈な生活を送ってたのかもしれない。でも、あの事件をきっかけにそれを理解してくれる人が出てきたり、お父さんもそれに気づけた。皮肉のようだけどハッピーエンドなのかもな〜と思った。