ミッドサマー　ディレクターズカット版のＯASISのネタバレレビュー・内容・結末

「アポストル」ではがっかりして物足りなかったものが全て入っていた。
まぁ「ウィッカーマン」だけども。

異教のコミューンで当たり前に行なわれている異質な儀式というだけでワクワクする。
偉い人が食事に手をつけた瞬間に気持ち悪いくらい統率が取れた動きで一斉に食べ始める教徒達、メイ・クイーンを称える完璧に揃った変なダンス、淡々と焼かれる飛び降り死体。
それらがセリフによって詳しく説明される訳ではないが、異教に信奉する教徒たちの純粋な気味悪さが強調されたシーンが連続している為常にゾワゾワと背筋を撫でられる感覚を味わいながら見ることが出来た。
一番気になったのは、赤ん坊の泣き声が
止まずに延々と流れ続けているのに誰もそれに反応せず「自立を促す為母親は巡礼に出て離れさせているの」とそれが当たり前のように生活出来ていた所。
母親の話も本当に巡礼に出たのかも分からないし、赤ん坊だけがこの異常な空間から即座に遠ざかるべしと警鐘を鳴らし続けていたのかもしれない。

ディレクターズカット版しか見ていない為判断はできないが、エログロさはそこまで目を瞑るほどのものではない。
後半のまぐわいシーンの喘ぎ声の合唱も、絶叫の輪唱も、笑ってはいけないシリーズみたいになっていた。
ダニーの笑顔で報われた感のある爽やかさが残るというのもあるが、いくらクズでもクリスチャンに同情して観てしまっている部分もあった。
抗不安薬を飲んでいるような彼女と付き合うと本当にめんどくさいなと思う映画だった。