鰯

街の灯の鰯のレビュー・感想・評価

街の灯(1931年製作の映画)
4.5
明日になれば鳥も歌う

放浪者は通りで見かけた盲目の花売りに心を惹かれる。放浪者はなんとか彼女の前で紳士であろうとするが、、、

実はチャップリンの作品をきちんと見るのは初めて。運良く劇場で見ることができましたが、こんな面白い作品を放っておいたのかと後悔しました。小さい頃に見ていたら、映画界で働きたいと思っていたであろう一本

何と言ってもストーリーが面白い。放浪者(チャップリン)が石像に堂々と寝そべって、ドタバタ。街の新聞売りの少年にバカにされる。通りの花売りに心惹かれる。花売りが丁寧に対応してくれるのは、目が見えていないから?
偶然にも放浪者が命を救う大富豪は、酒を飲んだ時とシラフの時で放浪者への態度が一変。ここの態度の変わりっぷりは、毎回笑ってしまいます(そして最後までずっとそんな感じ)。
役者さんはどの方も最高で、各人のその後を見たくなるような奥深さ。迷信深いボクサーや、通りに落ちた葉巻を放浪者と奪い合う人などちょい役も何だか頭に残ってます

車やパーティといった金持ちの象徴が要所要所で登場するのも良かった。放浪者がなんとも場違いで泣けてくる
花売りのために放浪者が挑むボクシングシーンは、これまで観てきたコメディシーンの中でも屈指の面白さ。これで笑わない人はいないはず。動きのシンクロ率、ゴングのタイミング、繰り返されるステップ、などなど、すべてが噛み合ってお腹を抱えて笑いました。
ラストはきちんと幸せにさせてくれて、満腹になって終えられる
鰯