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街の灯のabeeのレビュー・感想・評価

街の灯(1931年製作の映画)
4.1
【目に映るものだけで価値を判断してやしませんか?】

コロナ休暇によりBSでばかり映画鑑賞をしております。
それ故鑑賞作品に若干偏りのある今日この頃ですいません。
本当は観てないBlu-rayも溜まっているのですがね。
こんなことでもないと観ない作品がBSはいっぱいやっているのです。

ということでチャップリンチャレンジ3作目。

1作目に「モダン・タイムス」、2作目に「黄金狂時代」と鑑賞してきてチャップリンの映画は必ずしも風刺ものではないということを知った私。
先入観を取っ払って観ればぐんと楽しくなるのがチャップリンの作品です。

チャップリンの後世に残した影響をとても感じましたね。
「スナッチ」の犬は明らかに今作の影響を受けていると思われます。

チャーリー・チャップリンという人物は私たちの知るコメディアンとは少し違うのでしょう。
彼が表現するのは「笑い」ではなくその向こうにある「楽しさ」や「幸せ」だと思うのですね。そこに風刺が加わることで「怒り」や「悲しみ」も見せるのです。
彼が表現しているものは「笑い」の向こうにある「感情」だと思うのです。

彼が評価されている部分はパフォーマーとしてよりもプロデューサーとしての手腕の方なのだと本作を観て気づきました。
ここまで自己プロデュースが上手い人はなかなかいないと思います。

ただし、作品としての魅力が薄いことも事実。
彼の作品は風刺もの以外、特に「楽しさ」「幸せ」を観せる作品についてはあまり変わり映えがしないのです。
自己プロデュース能力が高い故にストーリーや設定は二の次に、チャーリー・チャップリン自身が画面にいれば成り立つ作品ばかりなのです。

ということで、本作は誰もが「楽しい」「幸せだ」と感じられる作品。
内容に全く触れずにごめんなさい。冒頭の部分である程度イメージして下さい。
でも、彼の作品はなかなか表現しにくいのです。
彼はコメディアンというよりも子どもから見たピエロとか、それこそミッキーマウスとかに近いと思うんです。
自分をキャラクターとして確立したその自己プロデュース能力は、誰にも真似できないものであり唯一無二の存在であると思うのです。

あ・ボクシングのシーン最高ね!!
繰り返すことが笑いを生むっていうのはコントの基本だよね!!
abee

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