hikarouch

ミッチェル家とマシンの反乱のhikarouchのレビュー・感想・評価

2.2
シンプルに、乗れなかった。

ここ数年の映画あるあるなんだけど、「AI」をワルモノにすると、全知全能の神様みたいになんでもできて、でもそれだと主人公が負けちゃうからご都合主義な展開が続出することになるという。
結局このワルモノは何ができて何は出来ないのかが全く説明されないから、なぜミッチェル家「だけ」が追っ手を逃れて捕まらないのかが分からずモヤモヤする。
プロットが甘いと言えばそれまでなのかもしれないけど、そうなると色々なオフザケやギャグもゴマカシに見えてきて、あんま笑えないんだよなあ。(吹き替えで見たせいもあるかも)

過去のビデオを通じてお互いの気持ちに気づいたり、思い出したりするくだりも、流石にもう数多の映画でコスられ過ぎてるし、そういう典型的、ステレオタイプなくだりが結構恥ずかしいほどに多く出てくる作品でもあった。家族って良いよねっていう着地ももう初めから見え見えで。

最後のヘラジカの遠吠え(ヘラジカってそんなことすんの?)のところとかは、自分もマジで周りでドン引きしてる人達と同じ顔してたと思う。

自分たちで、「変わり者(weirdo)」を自称しちゃう人たちも、結構生理的にムリ。

犬ちゃんの扱いもかなり乱暴で、笑うというより可哀想だなと思っちゃった。

映像表現は、さすがのスパイダーバースチームの凄みを感じたけど、やっぱり映画としての芯みたいなものが弱かったように思う。
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