りっく

Jonas/ジョナスのりっくのレビュー・感想・評価

Jonas/ジョナス(2018年製作の映画)
3.8
冒頭、車内で旧式のゲームボーイでテトリスをする男が映し出される。このアイテムが劇中で描かれる時代のアイテムになるかと思いきや、主人公が若かりし頃を描いたパートではダイアナ妃の死を報じている。

この過去と現在が捻れて曖昧になっているように感じさせる仕掛けによって、時間が分断されずに悲しみが続いていることを表現してみせる。煙草というアイテムを巧みに使用したり、とにかくこの現在と過去を横断するカットの繋ぎ方は特筆すべき点だ。

またナイトシーンの撮り方も見事。暖色と寒色を使い分ける照明によって、時に幻想的で、時に官能的で、時に絶望に駆られる。同性愛を描いている点も含めて、ルックは「ムーンライト」を彷彿させるものがある。
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