サマータイムブルース

Swallow/スワロウのサマータイムブルースのレビュー・感想・評価

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
4.4
とにかくジャケットの写真が強烈なインパクトでずっと気になっていた作品です
ようやく鑑賞しました
レコードをジャケ買いすると結構外れたりするのですが、こちらは大当たりでした

異物を呑み込む異食症がテーマの単なるゲテモノスリラーかと警戒して観ていたら全然違っていました
まず、主演のヘイリーベネットがとても可愛くてチャーミング、もうずっと見ていたいくらい
心の闇を抱えた主婦を見事に演じています

一見ハンターは大金持ちの旦那の玉の輿に乗った幸せ者に見えます
周りも彼女を祝福しています
だけど本当の意味で彼女の意見が重要視されることはなく、段々と心が疲弊していきます
そのへんの描写は決して過剰ではなく自然な演出なので、この監督さんのセンスの良さが伺えます
色彩感覚とか、美術や音楽も素晴らしいなと思いました

あの精神科医のアリスはほんとに医者なんですかね、患者との信頼関係を覆すやってはいけないことをやっています
ハンターはそこで一気に壊れていきます
なんか許せないな
彼女の症状がどんどん悪くなっていくのを見ているのは辛いです
彼女に本当に必要なことは承認欲求を満たしてあげることなんじゃないかな

後半、本当のお父さんに会いに行ってやり合ってるあたりは、見てるこっちまでポロポロ涙流してしまいました
ずっと彼女を応援している自分がいました

ラストはどうなんだろう、自立した女性として生きていく決心をしたのだろうか
前向きに捉えたいです
とても感動しました