アネモネ

Swallow/スワロウのアネモネのレビュー・感想・評価

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
4.3
本当は映画館で観たかったー!!
やーっと観れたビー玉ごっくん。


ヘンリー・ベネットって
とても魅力的。
時に幼く見えて、ふと色っぽく艶っぽく見える。
この映画にぴったりだと思いました。
段々と不安定なところが見えてきて、こっちも不安定になってくる。
で、自分探しのように飲み込んだ物を飾る。

最近観る映画は、同じような女性の不遇を表した作品が多い。
とても共感するし考えさせられます。

けど実は私にはハンターの不安定さはよくわからない。
だってあんなに無理した生活は選ばないし我慢しないから。
だけど世の中にはどうしようも無い、ハンターのようながんじがらめの日々を送る女性がたくさんいる事は、よーーくわかる。

あの虚無感、孤独感。
きっとお金で自分を保てる女性もいると思うけど、大半は自分で道を作っていける女性は多くない。
今ある現状でどう自分らしく生きるか見つけるだけで精一杯。
それは自分を捨てるわけでも、諦めでもない。
そう
諦めてるように見られたり
家庭を守る存在に見られたり囚われたり
嫁・母はこうあるべきと言うレールを引かれたり感じとるように世間から作られたり。
生理だって大変だし、家事や仕事との両立だけじゃなく義両親との体裁も、いーっぱい沢山すごーく努力してんだよ、女性は!!

私はあんな旦那と義両親だったら苦労してでも離婚を選べるけど、どんな人でも「自分らしさ」は見つけたいし持っていたいはず。
ハンターが見つけた自分の今やりたい願望、自分らしさを見つけた感は、ヘンリー・ベネットの素晴らしい演技によって尚更観ている私達に伝わってきた。

トイレって
意識してなかったけど
確かに自分の今と向き合い、自分を確認する
誰にも見られたくないけど絶対必要な場所だと
改めて気付かされました。
そしてトイレで女性らしさを確認していることも。


ハンターのように、自分らしく生きる為に向き合わなければならなかった「何か」に気づける人は、本当は少ないかもしれない。
ハンターの病気は心の叫びだし、あの欲求を我慢しなかったから自分の進む道を見つけられたんだと思う。
時に「普通」とか「世間体」とか
そんなことをふっ飛ばしてでも自分の欲求を抑えない時も必要なんだとハンターが教えてくれた気がします。
だって
どんなに危ないとわかってても飲みたいんだもん! 
普通みんなは、とか
我慢とか
もうどーでもよくね?って時あるから!!

ラスト、自分を見つけ決着をつける時
飲んで
トイレで確認する行為も女性ならでは
閉ざされた空間でしか自分を知る事のできない不自由さと自由さを感じました。




今年の私デミーショーは
映画館で観れなかったけど、このスワロウとサウンドオブメタルは入れようと思います。
アネモネ

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