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Swallow/スワロウのReirenのネタバレレビュー・内容・結末

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

Swallowとは、「ツバメ」の他に「飲み込む」という
意味もあるそうです

家族愛に恵まれず、
母親がレイプされて生まれた女性(ハンター)が
妊娠して、
罪の意識から異物を飲み込むようになった
「異食症」の話

フランスとの合作らしく、容赦のない心理描写
終始暗く重いトーンで話が展開していく

他の人からは一見恵まれていて幸せそうに
思われるであろう豊かな結婚生活・・・しかし
家族関係はギクシャク
住む世界が違う人種
だからこそ「妻」に選ばれたのかもしれないが

ストレスからか、ハンターが
砂や尖ったものを飲み込んだりする
異食の場面は見ていてハラハラする
いけない事をしている背徳的な喜びも
やめられない悲しみも感じつつ

暗い影がじわじわ染みていく感じは
スリラー映画っぽくもある

自傷行為とも言える、、こういう病気は
当人にとっても周りの人々にとっても
辛かったりしんどかったり

レイプ犯だった父親は、刑務所で自身も
レイプされ(人工肛門)
尊大で愚かな全能感に浸っていた自分を知り
反省して、
今は普通の家庭を持っている

異食をやめられず、夫や縁者から見放され
実の父のもとに行き着いたハンターは
彼の謝罪の言葉ではなく、罪を負っていた自分と
ハンターは「違う」と言われたことで救われたのか

ラストシーン、ハンターが薬を飲んで堕胎した後の
女子トイレの様子が延々映されているのは
「飲み込んだもの」を「体外に出す」場所だから、
ハンターが「異食症」から解放されたという
暗示なのだろう
それは彼女の生き方の解放に繋がるのかも
しれない

観終わった後、なんともいえない気分になったけれど
よく出来ている作品だと思いました
Reiren

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