L4zyCola

Swallow/スワロウのL4zyColaのネタバレレビュー・内容・結末

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

"Swallow"

アメリカとフランスの合作映画🎥
ジャケットが好みで前から気になっていた作品

確かに緊張感や不安感が常に付きまとう点においてスリラーという枠組みは正しいのかもしれない。だが、スリラーという言葉だけではこの映画を分類しきれないように思える。異食症を題材にしたとても現代的な作品であった。

注目していたのはやはり映画の"色"。色の主張が薄い家の中でハンターのリップやカーテンの鮮やかさが印象的で、雰囲気がとても美しい映画だった。ジャケットから全体的に鮮やかな色彩の映画であると思っていたので、その上品な色使いには驚いた。主演の女優さんが美しくて異物を飲み込む演技はまさに、見ているこちらを"のみこむ"よう。

自分が愛されていない、蔑ろにされていると感じながらの生活は実に息苦しいと思う。夫がいくら自分を愛してると言おうが不安の払拭は一時的なものなのだ。"異物を飲み込む"行為は彼女にとって強い達成感を与えてくれるもので、自分に自信を持つための衝動的な行動といえる。人間の生まれによって根本的に抱える思想や理想のズレは簡単に埋めることは出来ないし、大きなズレを抱えながら一緒に生きることはとても困難な事だと思う。結局彼女は中絶を決心することになるのだが、彼女の下した決断に間違いだなんて誰も言えないし言ってはならない。今までの関係を断ち切って新たな生活を始めようとするエンドはまさしくハッピーエンドだった。

エンドロールが一風変わっていて、女性用トイレの洗面台を最後まで写している。様々な女性が入れ替わり立ち替わりで利用している様は、登場人物が少ない今作においては今まで家で家事ばかりしていたハンターが社会の生活に戻ったことを暗示してように私は感じられた。彼女は広告業界をめざして努力したのかもしれない
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