さー

Swallow/スワロウのさーのレビュー・感想・評価

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
4.0
画鋲を食べるショッキングな映像にホイホイされて再生ボタンを押しましたが、蓋を開けてみれば、ひとりの人間が自分の存在を認めてあげられるようになるまでを丁寧に描く大変良い物語だった。異食症はほんのとっかかりに過ぎず、根底にある問題を本気で解決にいく姿勢が良かった。過程の描き方が丁寧だったから、ラストも納得できた。

とはいえ、実際に色んな物を口にしていく様子には唖然とした。ただ食べるだけじゃなくて、排泄物から回収したうえで棚に陳列する生粋のコレクター気質はガチ(何を言ってる?)自分の意思で摂取した物を自分で排泄するところに、妊娠・出産ひいては自分の人生を自分でコントロールさせろ!という意思が表れている。(何を言ってる?)

全カット絵画のような映像の美しさも、今作が飽きのこない理由のひとつ。主人公の可愛いと妖艶の中間を突く美貌も相まって、ため息が出るほど美しいショットもたくさん。

エンドロール中の映像は、どう解釈するのが正解なんだろう。入れ替わり登場する女性たちは、個室での数分間に、何を抱え、何を決断しているのか…
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