アー君

Swallow/スワロウのアー君のレビュー・感想・評価

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
3.8
異食症という病気は妊婦に出る症状とはなんとなく聞いた事はあったが、映像として観るとホラー映画よりも現実的で「胃にくる」感じがした。

ハンターは自分の出生については表面ではサラッとしているようだが、無意識の葛藤として、このような異常行動が代償として現れてしまった。この問題を解決するために彼女は実の親と初めて会話をすることで自分なりの意志で解決を得られたのだろうと思う。
これ以上はネタバレになるのでボカすが、最終的な決断は客観的にみれば後味の悪い終わり方かもしれない。しかしハンターはもうあのようなな行動をすることはないだろう。

そして、この映画はニコラス・ケイジが主演した「マッチスティックメン」の主人公と心理的に共通している点がある。
あの映画は詐欺師でありながら極度の潔癖症ではあったが、これは心理学で言うところの「代償行為」であり、女性との出会いによって、この癖は改善した終わり方である。

看護師でマッチョなオッサンが途中で出るのだが、どう見てもキャスティングミスだと思っていたが、段々良い味のある存在感が出てきた。

冷静に見ればストーリーは単調だったかもしれないが、最初にも述べたが映画としてあまり取り扱わない異食症というテーマを描いた事で作品としての評価を高くしたい。
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