ちゃんさわ

Swallow/スワロウのちゃんさわのレビュー・感想・評価

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
3.9
玉の輿って、なんとかして上手く乗れたとしても超メンタルが強い人か全く何も考えていない人以外はかなり茨の道だと思っている。経済的余裕を得ることよりも、その後の人生で常に劣等感を感じ続けたり、これまでの経験値の差を思い知らされ続けたりするのは辛すぎる。

『Swallow/スワロウ』の主人公ハンターに邪な目的は無かったようだが、玉の輿に乗ったことで人生が狂ってしまった犠牲者の一人だ。豪華で洗練されている家が、次第に牢獄となっていき、異食症を発症してしまう。
この異食症も、自由を奪われつつあるハンターが自分の意志で行える行為であり、自由意志のメタファーであると考えると余りにも悲しい。
生い立ちを含めるとハンター辛すぎ問題というのもあるのだが、それを画力とヘイリー・ベネットの見事な演技で表現している。

最終的にハンターを理解してくれたのはシリア出身の看護師ルエイのみで、ラストも鑑みると本作もまた、女性の抑圧だけでなく、格差社会における労働者階級と上流階級の分かり合えなさを描いた作品であった。

https://miyearnzzlabo.com/archives/70392
https://www.tbsradio.jp/archives/?id=p-557562
https://www.tbsradio.jp/archives/?id=p-555740
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