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サイコ・ゴアマンのbackpackerのレビュー・感想・評価

サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)
4.0
「無敵だった子ども心が、一大スペクタクルと化し近所中で燃え上がる!SFゴアスプラッタヒーロームービー!」

感想はたった一言、最高でした。

主人公の少女ミミ、傍若無人を絵に書いたような、超強烈な個性の持ち主。
彼女の暴虐ぶりは、憎たらしくもどこか愛らしい人を小馬鹿にした笑顔となって炸裂し、周囲の人間を精神的にも物理的にも苦しめる、とんでもないサイコ・クレイジーガールです。

ミミを演じた映画初出演&初主演のニタ=ジョゼ・ハンナちゃんをキャスティングした監督の慧眼には恐れ入ったぜという感じですが、このニタちゃんの破壊的笑顔の魔力も凄まじい。
撮影時12歳の少女とは思えないほどの、悪魔的微笑み。過去に10〜20人くらいは、絶望のどん底に突き落とした挙げ句社会的に抹殺した経験があるような、悪辣な輝きを放っています。ま、眩しい!

驚いたことに、ニタちゃんはミミそのままの性格と本人も認めているようで、監督がお願いしたのは「考え込むような静かなシーンでは"もう少し抑えた演技でお願い"」ということだけだったとか。
素がミミと同じって、いくらなんでもぶっとびすぎでは!?w

ミミのお兄ちゃんルーク役のオーウェン・マイヤーくんも、14歳にして監督・脚本を努めた『4teen』の公開待機中(2021年8月現在)という才気煥発な少年のようで、ミミのぶっとびを巧みにフォローしながら、随所で存在感を発揮しており、今後が猛烈に楽しみです。


サイコ・ゴアマン(PG)のビジュアルは、監督が子供の頃小遣いをもらったときに買いたいと思ったフィギュアをイメージし、1990年代前半のフィギュアっぽい要素としてピンクの筋を走らせ、トゲを付け足すことで誕生したとのことです。
作品の美術や画作り等からしても、日本の特撮・戦隊ヒーローものマニアというスティーヴン・コスタンスキ監督のオタクぶりが溢れ出ていますね。
今後もカナダでそのオタクぶりを爆発させて、クレイジーな映画を作り続けてくれることを願い、日本の隅っこで陰ながら応援しています。

サイコ・ゴアマン、最高!!
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