アルパカメタル

蒲田前奏曲のアルパカメタルのレビュー・感想・評価

蒲田前奏曲(2020年製作の映画)
3.5
オムニバス映画として一本の流れを楽しむよりは、各々の作家性を楽しむものかと思う。(駆け出しの監督ではなく、もう長編を何本か撮ってるような監督たちなので)

一本目、中川龍太郎。
ファーストカットから中川監督らしさ。安心して見始めると「???」が浮かび始める。シュールな笑いのとり方(そもそもこの人の作品で笑わせられるという経験をしたこと自体が初めてかも)。これは?と思ってるうちにポエティックなセリフ。よくわからないうちに終わる。かなり短編の枠内で遊んでる印象。

二本目、穐山茉由。
これは面白い。女子高育ちの女5人。一人一人キャラがたった会話劇。穐山さんは脚本のうまさが際立つ

三本目、安川有果。
しっかりとしたストーリーラインに時折にじみ出る不穏さ、狂気が存分に味わえます。

四本目、渡辺紘文
オムニバス映画ということを考えると、まじでなんじゃこりゃ状態なんですが渡辺監督ですから。この作風を知ってる人間からするとこうなるのは予想できたでしょ、って思う。わたしはこの人の作品が好きですから。

とまあ、一本一本書き連ねてみたけど一本のオムニバス映画として観るにはどうかなとは思う。作家陣の作風の色が立ちすぎてる。そういう括りにこだわらず作家性を楽しむものとして観ればかなり面白いんじゃないかと。