akihiko810

ハッピー・オールド・イヤーのakihiko810のレビュー・感想・評価

3.6
タイの作品。こんまり(断捨離)する話

北欧への留学でミニマリズムに感化された主人公が、元彼との再会も果たさないまま一気に断捨離を始める。目標は、自宅を改造して無駄のないシンプルなデザイン事務所を作る事。
しかし、同居している母親からは猛反対され、プレゼント類も容赦なく捨ててしまう彼女に対して親友からも批判を受ける。元彼が使っていたカメラを送ると、受け取り拒否で返ってきてしまう…。

自分家は、読んだ/読んでない漫画がかなり多いので、ミニマムライフなんてとてもじゃないができない。
さて、本作はこんまり(断捨離)することで過去を振り返り、失ったり前に進んだりする話。
まず、映画自体がとてもミニマムで静かなつくりになった、エンタメというよりアート作品だった。静かな映画が好きじゃない人は退屈だろう。
断捨離によって過去の関係を整理したり、見つめなおしたりするが、この作品では、思い出に浸るとかそういうことではなく、それはまるで過去の「傷」を再度えぐり出して見直すことに等しい行為である。
主人公は強情なのかなんなのか、親の反対を押し切って死んだ父のピアノまで処分してしまうが、これはさすがに「やりすぎでしょ…」と思わなくもなかった。ここまでして主張したいことって何なのだろうか。いや、別に物に魂が宿る、とか、取っておくのが正解とかいうつもりはないが、単純に親の反対をそこまで押し切ってする意味が分からなかった。
結局、断捨離反対映画なのかもよくわからず、特に共感できる作品ではなかったかも。
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