Anne

ハッピー・オールド・イヤーのAnneのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

感情を否定しながらも、映像からは人物の感情の機微がよく伝わってきて、相反しながら進むストーリーに、なぜか心地よさを感じた。ジョークも気が利いていた。主人公のこらえる表情もぐっときた。簡単に涙を流さないヒロインって、いいな。
「ゴミ袋は偉大」というくだりにとても共感した。そう、捨てたもの、忘れてしまいたいもの、非効率的なものをいとも簡単に忘れさせてくれる、ある種麻薬や自傷にも通じるものなのかも………とゴミ袋について、物を捨てる行為について再解釈できた。

エムがこわかった。はじめに登場したときから、なんだか陰があるなぁと思っていたけれど、どんどん陰湿な感じを帯びていって、、、そもそも、ミーがいるのに元カノを家に招き入れたところからちょっと……。あの端正な顔立ちがよけいにこわさを増幅させていたような。

お兄ちゃんとピンクがほんとうにいいキャラだった。結局自分で捨てることを放棄した主人公の代わりに、部屋を片付けてあげるの優しいな〜。ピンクもなんだかんだ面倒見が良くって、こんな友達いいなぁ〜と思いながら鑑賞していた。お兄ちゃん役はこれが俳優デビュー作という衝撃………

作品のテーマからは『365日のシンプルライフ』を連想した。規模感は違っても、古今東西、誰しも関心のあるテーマなのだと思う。願わくば、ジーンの北欧篇(前日譚含む)とミーのその後もみてみたい。
Anne

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