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VIDEOPHOBIAのmuraのレビュー・感想・評価

VIDEOPHOBIA(2019年製作の映画)
4.3
宮崎大祐監督作品を特集上映。1週間のうちに3作。この作品だけを見ることができた。この監督、よく知らなかったんだけど…驚き。いつの映画かと。60年代のピンク映画のような。嫌いじゃない。いや、むしろ好きだなと。

大阪、鶴橋、コリアンタウン。東京(正確には神奈川)からもどって来て女だけの家族で暮らすアオヤマアイ(パク)。着ぐるみのアルバイトをしながら役者を目指す。ただ、うだつの上がらない毎日。あるときクラブで男と出会い、そのまま関係をもつ。ところが次の日、たまたま開いたサイトに昨夜のセックスの様子を撮影した動画が上がっていて…といった話。

映像はモノクロ?セピア?…とにかく今の作品とは思えない。もちろん今もモノクロの映像はあるが、それとは少し違う。役者といい、背景といい、違和感しかない。でもそれが面白い。

演技のワークショップといい、トラウマの集団治療といい、まるでカルト宗教のよう。これが60年代、70年代の映像の雰囲気をかもし出すのか。それと同時に、ものすごい緊張感をもたらす。ざわつくというか、焦るというか、とにかく不安が募る。

そして最終的にたどり着いたのがあれか…

「パク」から「アオヤマアイ」へということと同様に、あれは生まれかわることを意味するのか。在日のアイデンティティについても語ろうというのか。

で、忍成修吾はなぜだかいい。瀬々作品に重用されるのもよくわかる。

それにしても、ほかの2作品を見逃したのが残念…
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