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VIDEOPHOBIAのYSKのレビュー・感想・評価

VIDEOPHOBIA(2019年製作の映画)
2.4
かつて東京で役者を志すも今は大阪に帰郷し着ぐるみのバイトをしながら演劇ワークショップに通う主人公が、行きずりのセックスをした際の動画がネットにアップされているのを発見し…というお話

本当の自分とは違う人間を演じることや、解釈・視点の違いなどという言葉が頻出し、なおかつ演劇のワークショップやその後の飲み会、ディズニーランドや横浜を全てひっくるめた「東京」など、良くいえば長くない時間の中でムダなく要素を詰め込んでいるものの、悪くいえば伏線を張るための伏線でしかなくしかもその後は一切出てこない、まるでRPGで貴重なアイテムや重要なボスを倒したら二度と行くことのない町のように、この作品と主人公の中ではただのチェックポイントでしかないように感じました
ワークショップでおきた講師と生徒のトラブルの顛末のほうがよっぽど気になるものの彼らは二度と出てきませんでしたからね

主人公が抱える不安や悩みについて、全てを明らかにしないことで不安や悩みを見ている側に共有させたのであろうディテールのちりばめ方は悪くはなかったものの、お話として面白かったようには思えなかったことが非常に残念でした
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