かこじ

ハンディキャップ・キャンプ: 障がい者運動の夜明けのかこじのレビュー・感想・評価

4.0
ヒッピームーブメントだった1970年代、障碍のある子供たちが、今までにないキャンプを経験する。
特別扱いはなく、皆平等で、自由を謳歌して、遊び、歌い、笑いあい、議論し、セックスもする。
サマーキャンプから元に戻ると、彼らは、現状の社会が不自由であることに気づき、障碍者の権利を求めるムーブメントを起こす。
それが、今のバリアフリー社会につながった、というドキュメンタリー。

障碍者というと、守られる存在のイメージが強いけど、知的で好奇心旺盛で、異性にも興味がある。
ただ、家族や社会が彼らを世間から隔離して、腫れ物を触るように隠すから、異質な存在になってしまう。

彼ら自身も、サマーキャンプを通じて自信を持ったこと、取り巻く環境の障害に気づいたことが、このムーブメントのきっかけになったんだろう。
そして、障碍者自らが行動を起し、団結したことが成功につながったんだと思う。

いつ自分が事故や病気で障碍者になるか分からない。だからこそ、そのためのインフラ、社会改革が必要。
最近耳にする、障碍者との共生社会を目指す「インクルーシブ教育」、このハンディキャップキャンプがその先駆けだったのかな。

ラストのキャンプ参加者の同窓会が泣かせる。

ちなみに、ブラックパンサーって暴力的なイメージがあったけど、実はいい人達だったんだな。
かこじ

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