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インヘリタンスのkuuのレビュー・感想・評価

インヘリタンス(2020年製作の映画)
3.6
『インヘリタンス』
原題Inheritance.
映倫区分G.
製作年2020年。上映時間111分。

リリー・コリンズとサイモン・ペッグ共演によるアメリカンミステリー。
ローレン役をコリンズ、謎の男をペッグ(今作品の役柄上、サイモンペッグは体重を12kg減らす必要があり、このために体脂肪をわずか8%まで減らしたそうっす。役者魂には脱帽)がそれぞれ演じる。
監督は『アニー・イン・ザ・ターミナル』のヴォーン・ステイン。

ニューヨークの政財界に絶大な影響力を持つ銀行家のアーチャー・モンローが急逝したことにより、彼の遺産は妻と政治家の息子、そして地方検事である娘のローレンに相続された。
さらにローレンは、アーチャーから『真実は掘り起こすな』(因みにキャッチコピーは『秘密は葬ったままにしておけ』😊同じやけど)という遺言とともに1本の鍵を託された。
遺言を頼りにローレンは邸宅の裏手に隠された扉を発見する。
遺された鍵で開いたその扉の先には地下室があり、ローレンはそこで鎖に繋がれた男を発見する。
モーガンと名乗るその男は、30年にわたりアーチャーの手でこの部屋に監禁されていたと語り始めるが。。。

個人的には面白いスリラーやと思いますが、ポテンシャルを十分に発揮しきれてへんと感じました。
でも、それでいて悪くはない不思議な作品(多分個人的に合ってるのか、今日の気分がそうさせるのか)。
物語は、ある一族の有力な富豪が死んだときに残された遺産の秘密をめぐるもので、この映画は良く出来てはいるし、演技もまぁ巧く、雰囲気もサスペンスの要素を加えてるんやけど、マックスの面白さを秘めながら、それを殺した主な問題は、プロットがどこに行くの分かってるが(分かってしまってまう)、それがどのように明らかになるのかわからないことかな。
その点では、第3幕は少し平板で、少し急いでいたような気がします。
欲を云えば、第2幕の終わりまで上げて、第3幕のでちょっとした鼬ごっこ的なモンを描いてほしかったかな。
正直
『何をしとんねん!!』ちゅうボヤキを吐いてまう瞬間がたくさんあり、物語に夢中になってたのは確かかな。
序盤は露出が多すぎたので、周囲を露出しないという細かい部分を変更すべきだったと思います。
前述した、予想通りの展開になってしまったこの映画をちょい救ってんのは、リリー・コリンズの演技でした。 キャストも豪華で、リリー・コリンズとサイモン・ペッグの会話には心を奪われたし、サイモン・ペッグは素晴らしい俳優であり、このような役柄を演じる彼を見て、新鮮な気持ちになった。
リリー・コリンズのすべての決断と、真実を知ろうとする必死さが、強烈な存在感で興味を引いたのんかもしれへん。
この女優さんの良さを知りたいのであれば、彼女の才能を見るには、今作品が最適かも知れへん(あくまでも映画素人の個人的見解)。
また、スクリーン上の母ちゃんであるコニー・ニールセンは威圧的な存在感を放っており、この二人のシーンがもっと欲しかった欲したかな。
このパワフルな家族は面白く、画面上の兄であるチェイス・クロフォードも、全員がお互いに守り合う姿は、チョイ続きを期待させました。
音楽については、作曲家のマーロン・エスピノは、迫力を増す必要がありましたが、クライマックスではそれがイマイチやったんは否めない。
しかし、彼の音楽がすべて悪いというわけではなく、ソフトで安定したテーマが好きでした。
個人的には今作品は純粋に面白かったっす。
kuu

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