Cavianne

滑走路のCavianneのネタバレレビュー・内容・結末

滑走路(2020年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

いい映画、と私は言えない。

原作者が当事者で、
まさかの被害者で、
まさか加害者側を救うような内容の映画だなんて。
原作は未読なので、実はそんなことは詠んでいないのでしょうか。

いじめのループは恐ろしい。
被害者が加害者となり、新たな被害者を生む。
恐怖に支配され、正常な判断ができなくなる。
でも、一度でも、いじめる側に回ってしまったら、
もう既に誰かにとっての加害者でしかない。

いじめって、犯罪なんです。
子どもだったから、なんて言葉で許されないし、
いじめた側は死ぬまで苦しんで当然なんです。
いじめられた側は、苦しまなくて良いのに苦しむんです。

この映画を観て、いじめダメぜったい、なんて思うのは、
過去を振り返り後悔する大人ばかり。
もう今さら取り戻せないしやり直せないんです。
そもそも、本物の加害者は大人になっても気が付きません。


世代の学生や生徒たちに、何より伝わってほしい。
原作者の気持ち、被害者の気持ち、
そして加害者の幼稚さ、浅はかさ。


この映画で共感できたのは翠ただひとり。
切り刻まれた絵を見つめるシーンで、
大人になって切り絵アーティストとして活動する彼女と結び付いてハッとしました。
美しさや委員長の優しさを感じたのでしょうか。
彼女も無意識か、過去にとらわれたひとりだったんですね。

委員長の死を知って、彼に褒めてもらった水彩画を思い出す。
私の水彩画と、彼の切り絵を重ねて描く。

翠の心の表現がとても素敵でした。

翠以外の人物は皆自分本意で、身勝手で、
観ていて常に不快といっても過言ではないほどでした。