滑走路に投稿された感想・評価 - 3ページ目

「滑走路」に投稿された感想・評価

kmg

kmgの感想・評価

3.6
いじめの過去を持つ人の話。こどもの頃に人を傷つけた人間の中で、そのむごさや苦しみを想像して背負って生きることのできる人間はどのくらいいるんだろうね

このレビューはネタバレを含みます

原作となった歌集を読んでみたい。

いじめ、非正規雇用問題…等などで32歳の若さで自死した(歌集の)作者の抱えていた人生の辛さを描いた映画なのかと思ったら、ちょっと違っていた。

激務に疲弊する25歳の厚労省の官僚・鷹野は、非正規雇用が原因で自死したとされる人々のリストを持ち込まれ追及を受けた。そのリストの中から自分と同じ25歳で自死した青年に関心を抱き、その死の理由を調べ始める。なんとその青年は、中学校時代にいじめられていた自分を助けたために逆にいじめられるようになった学級委員長だった。

中学校時代の彼らが中心に描かれていて、大人になった彼らの人生と交錯し始める。

いじめた側からすれば、とっくに忘れてしまうような出来事かもしれない。しかし、いじめられた側には一生消えない傷になる。
中学生は、大人が思うほど単純でも子どもでもなくて、学校の教師などあてにしていないし、親にも知られたくないと思っている。

学級委員長のその後の人生の転落?を思うと、胸が痛い。
決して歌集の作家の人生そのものではないと思うが…。

切り絵作家となった翠だけに、救いが見られた。
学生時代のいじめが大人になっても影響して苦しみ続ける。
滑走路は延々続く平坦な道を想像するけれど、その滑走路は順調に走れるものではないことも人生。

時が流れて、新しい命、失われた命があった。人一人をこの世に生み出す責任というものを考えると、どちらの母親の気持ちも否定できない。

いじめをしてた側はその後の人生に登場しない。なのに、こんなにも苦しませられることがあっていいのだろうか😢
2022.06.13/121/図書館DVD
〝きみのため 用意されたる 滑走路 きみは翼を 手にすればいい〟非正規雇用労働者として働きながら32歳で命を絶った萩原慎一郎さんの歌集〝滑走路〟の映画化。

激務に追われ、過労と睡眠障害に悩まされている厚生労働省の 若手官僚(浅香航大)。いじめを受けていた同級生をかばったために、自らがいじめの標的にされる学級委員長(寄川歌太) 。創作活動が評価され、高齢出産となる前に子供が欲しいと悩み始める切り絵作家(水川あさみ) 。この3人がそれぞれに抱えている仕事、いじめ、出産などの問題に向き合うドラマが交互に語られていくが、途中から話がつながり始める。誰もがあの時のことを引きずっていて、それだけに根が深い問題。

本作に登場する過去にいじめを受け、自ら命を絶った非正規雇用の青年は、いじめが強烈なトラウマとなって高校受験にも大学受験にも失敗したことが明らかになっていくのだけど、これって、萩原さんとつい重ねてしまいがちだけど、違うんだよね。萩原さんはいじめのトラウマを抱えあがらも、創作活動に打ち込み、数々の賞を受賞され、大学では短歌の研究にも取り組まれていて、その前向きな短歌に共感できたのに、いじめられた人はこうなるに違いないというステレオタイプの描き方は違うだろって。萩原慎一郎さんの歌集〝滑走路〟の何をインスパイアしたのだろう。

このレビューはネタバレを含みます

・全体的に台詞も芝居も臭い
・翠が勝手に車から降りて来たところに全てが詰まっている。このシーンのために高校生パートがあったとでも言えるぐらいだ。
Cavianne

Cavianneの感想・評価

3.3

このレビューはネタバレを含みます

いい映画、と私は言えない。

原作者が当事者で、
まさかの被害者で、
まさか加害者側を救うような内容の映画だなんて。
原作は未読なので、実はそんなことは詠んでいないのでしょうか。

いじめのループは恐ろしい。
被害者が加害者となり、新たな被害者を生む。
恐怖に支配され、正常な判断ができなくなる。
でも、一度でも、いじめる側に回ってしまったら、
もう既に誰かにとっての加害者でしかない。

いじめって、犯罪なんです。
子どもだったから、なんて言葉で許されないし、
いじめた側は死ぬまで苦しんで当然なんです。
いじめられた側は、苦しまなくて良いのに苦しむんです。

この映画を観て、いじめダメぜったい、なんて思うのは、
過去を振り返り後悔する大人ばかり。
もう今さら取り戻せないしやり直せないんです。
そもそも、本物の加害者は大人になっても気が付きません。


世代の学生や生徒たちに、何より伝わってほしい。
原作者の気持ち、被害者の気持ち、
そして加害者の幼稚さ、浅はかさ。


この映画で共感できたのは翠ただひとり。
切り刻まれた絵を見つめるシーンで、
大人になって切り絵アーティストとして活動する彼女と結び付いてハッとしました。
美しさや委員長の優しさを感じたのでしょうか。
彼女も無意識か、過去にとらわれたひとりだったんですね。

委員長の死を知って、彼に褒めてもらった水彩画を思い出す。
私の水彩画と、彼の切り絵を重ねて描く。

翠の心の表現がとても素敵でした。

翠以外の人物は皆自分本意で、身勝手で、
観ていて常に不快といっても過言ではないほどでした。
 いじめ問題を軸にしたストーリー。中学時代にいじめられていた幼馴染を助けたことがきっかけで自身もいじめられるようになる。そしてその何年か後に自殺を選ぶ。
その人自身のストーリーではなく、その幼馴染と、その時にちょっとした付き合いをしていた女の子のその後の人生が描かれていた。
 なんとなくちょっと視点が違うな、と感じた。普通なら当の本人の人生が描かれるのではないかと思ったけど、中心は助けられた幼馴染が中心で、いじめた子の人生はまったくない。だからか新鮮に感じた。いじめは良くない事だとは誰もが分かる事(だと思いたい)だけど、いじめはこんな風に周りの人の人生にも影響を及ぼす、というメッセージと受け止めた。

 
jtokuno

jtokunoの感想・評価

4.3
新聞記者みたいな話かと思ってたら全然違った。

胸にはくるんだけど、つまり何だったんだろう…
はる

はるの感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

泣くだけ泣いたら 晴れるよ きっと


悪いわねえ もう忘れてって言ってあげられなくて


どんな世の中でも

傷つかずに生きてくなんて無理だよ

傷ついて 翼が折れたとしても

誰かに否定される人生なんてないんじゃないかな



翠が何選んでも 俺は嫌いになったりしないから
えな

えなの感想・評価

3.1

このレビューはネタバレを含みます

気になってはいたけどなかなか手を出せなかったものを思い立って観た。

『きみのため用意されたる滑走路きみは翼を手にすればいい』
初めてこの短歌を知った時、この歌が希望のようにも、自分にはもうその滑走路に手が届かないような絶望のようにも思えた。
映画も同じように、受け取る側によってどちらとも感じ取れる話だったなぁ 。

綺麗事だけじゃなく、ただ前を向くだけじゃない、ずーっと静かな雰囲気でずーっと暗い
自分があまりにもしんどい時に見るにはしんどすぎるかもしれない。

ただ、悲しいことも多いんだけど、心が優しい人も多くて、誰かが辛いときにかけてあげる言葉は、自分が辛いときにかけて欲しかった言葉なんじゃないかなと思った。

あとは時間の経過と、それぞれのストーリーが交差していく描き方がほんとにうまくて、私は好きでした。

「自死」が物語に出てくる時、その人が本当に死んだ理由って誰にも分からなくて、考えても仕方ないと思ってしまうんだけど、残された人が前に進むためにはいくら勝手だろうと考えなきゃいけないんだなとも思った。
みんな別々の苦悩を抱えてるから、どの人目線の話でも気持ちが分かるというか、誰かが悪というわけではなくて。
いじめを止めなかった後悔もあれば、逆にいじめを止めたのがありがた迷惑だったとか、人間ってほんとにままならないなって。

この映画ってオチがついてるものじゃなくて、所謂こちらに考えさせる系の映画なんだと思うんだけど、 困っている人や苦しんでいる人を助ける側の人がいるとして、じゃあ助けた側の人たちを救ってあげられるのは誰なんだろうなぁっていうことはずっと考えてしまった。

あと、いじめの加害者が必要以上に描かれなくて、成敗されることもなく、ただ話に出てこなくなるのが、「いじめた側はいじめたことを忘れる」ということを表してるようで、逆にリアルだったな。

ここからただのメモ
ゆうとが泣きながらしゅんすけを殴るとことか、
しゅんすけのお母さんが「忘れてって言ってあげられなくてごめんね」って言うとことか、どうしようもなく泣けてしまった

人が自死を選ぶとき、それは絶望だったんだろうか
それとも希望のためだったんだろうか
きっと一生わからないんだろうな

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