けーな

ベスト・オブ・メン〜人間の最高〜のけーなのレビュー・感想・評価

3.9
戦争で脊椎を損傷し、下半身不随になってしまった元兵士達の治療のために、リハビリにスポーツを取り入れた医師の物語。イギリスでパラリンピックが生まれた経緯を描いた実話ベースの物語。

この医師が治療を始めるまでは、麻痺状態の患者達は、ギプスで全身を固められ、鎮痛剤を大量に投与され、寝たきりで床ずれが悪化し、死を待つのみであった。そんな中、移動してきた医師が、病院や看護師や患者達の反感を買いながらも、信念を持って、新たなる治療を始め、皆の信頼を得ると共に、患者達に生きる希望を与えていく。

とても感動した。下半身付随になってしまった人達の気持ちを察するに余りあるが、どのような状況であっても、生きる希望を持つことが大事だということを教えてもらった気がする。パラリンピックが、このようにして生まれたと知ることができたのも、とても良かった。

主人公の医師を演じているのは、「おみおくりの作法」の印象が強いエディ・マーサン。今作は、「おみおくりの作法」の1年前に作られた映画だ。また、若い患者の1人を演じているのは、「1917 命をかけた伝令」で主演を演じて話題となったジョージ・マッケイ。若くして戦争へ行き、重症となって死にかけ、主人公の医師によって救われるが、生きる希望をなかなか見出せずに苦悩する姿を演じていて見事だった。

この医師が、第二次世界大戦下であるのに、イギリスに住むドイツ人だということも、興味深い。
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