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7番房の奇跡のReoのレビュー・感想・評価

7番房の奇跡(2019年製作の映画)
4.1
知的発達障がいのある父が、冤罪をかけられるが、娘との愛で苦難を乗り越えていく作品。
 
障がいの有無は関係ない。
まだまだ障がいのある人は、生きにくい社会である。そして、これからも良く思わない人もいるが、せめて思うだけであって欲しい。知的障がいは、環境や出生前が原因で、起きてしまう障がいであって、無論望んでなったものではない。だが、今作のように、その弱点に上手く付け入り、社会的立場を失くすのは、心が痛い。生まれてきた1つの命として、人間は平等に扱われるべきである。それなのに、強制・暴行・差別といった行為が、起きてしまう。面会もさせて貰えず、娘を思うだけの日々。国で権力が高いからといって、同じ人間。
知的障がいを持った者に冤罪を背負わせる事は、天使になった自分の娘への報復と言えるのか。ハイジの鞄に付いた海水のように、冤罪を背負わせた罪は消えないと思う。
 
7番房で起きた奇跡、トルコ版。
ネトフリにリリースされていて、友達からも推奨されていたので、ようやく鑑賞したとおもいきや、韓国版が本家だと鑑賞後に気づいた…
本家から干渉できなかったのはショックだが、親子の絆がひしひしと伝わる感動作品だった。父にしっかりと寄り添う娘、そして娘に寄り添う父。この絶対に離れない絆が天国にいる母親に届いたのではと思ったりもした。
そして、スピリチュアルな考えを持つ、祖母が今回の鍵とも言える。房の中で話をする場面で、罪を病気と表現し、亡くなった人を天使と呼ぶ事は、受刑者の心を改めているように見えた。冤罪をかけられた父以外は、皆が罪を償うために房に入る。そこに罪のない者が入る事で、面会にて見せる家族愛や人の為に尽くす根性などが垣間見えていた気がする。

冤罪というのは辛いが、そんな中でも愛し合う親子の絆を間近で感じられた。
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