らんらん

怒涛一万浬のらんらんのレビュー・感想・評価

怒涛一万浬(1966年製作の映画)
4.0
遠洋に出て一年を過ぎたマグロ漁船が舞台となる物語
漁獲量が落ち込み船長(三橋達也)が漁労長を兼任していたのを格下げし、新たに本社から新漁労長(三船敏郎)がやって来る
最初は乗組員たちとも上手くかみあわなかったが、厳しくも優しい指導で絆を深めていく

なかなか見応えあったと思う、振り返れば気になるところ不満点はそれなりにはある、けれどそれを上回る良さがあったと思う
人情、浪花節的なの弱いんですよねー、素直にいいお話だったなーって思えちゃう
たぶん漁の撮影シーンに迫力があるからだと思う、なかなかしんどい撮影だろうなーって、その苦労、リアルさが伝わって来ます

出演者も豪華です、東宝オールスターって言うと言い過ぎだけどそうそうたるメンバーが出て来る
印象的だったのは佐藤允と堺左千夫かなー
佐藤允はいつもながらかっこいい!まさに男って感じ、あの口角の上がる笑い方白い歯と声が好き!100万積まれても船を降りたくないってくらいの海の男なんですが、皮肉にも不幸が襲って来るんです、その不幸により後半の航海は佐藤允抜きになってしまいます
そのことで余計にあの船における佐藤充の存在感の大きさを実感、病室で左手で字を書く練習をしてるシーンも良かったけど、ずっと船の上で見ていたかったなー
そして堺左千夫、いつもながらの大して名前も呼ばれない脇役なんですが今回はなかなか目立った活躍かなと、平船員の代表格で台詞も多く、最近東宝映画たくさん見るようになって名前覚えてきたところなのでその活躍がうれしかった

あとは唯一の紅一点浜美枝、内地よりも給料が良いとかで看護婦の仕事に来たって設定の役
ストーリー上どうしても出番は少ないですが、なかなか良かったです、やっぱりキュートです!

気になったところ不満点収穫など
みんな俳優さんなんで仕方ないけどあまり逞しい海の男には見えないw モノクロでだいぶ誤魔化されるけど色が白いし線が細いと思う
あとは医者の田村亮でさえ見習いとして漁でこき使われてるのに、コック?の沢村いき雄は船の上ではとんと見ない不思議wまぁ還暦すぎた老人に過酷な撮影厳しいのわかるけど

あとは漁労長って初めて聞いた、劇中の描写だと船長よりも偉そう、ほんとなんですかね? 漁船である以上その権限を持つ漁労長が一番偉いってことかなー、勉強になりました
そういう点では三船敏郎が一番偉い権力者、この映画自体が三船プロダクションの製作でもあるし、お似合いの役なのかも
三橋達也や田村亮、堺左千夫などそれなりに反発してはみせるけど、妙に大人しいのはやっぱり三船敏郎だからですよね!あの貫禄と迫力、恐れ多くてなかなか意見できませんよね

最後に、見たあと調べてわかったこと
この作品「奇巌城の冒険」と一緒に撮ってるっぽい、確かに同じ三船プロ作品で同年公開、出演者も共通点が多い
なるほど、金のかかる海外ロケで2本作っちゃえってことですか、なんか納得です、いつもの豪華なメンバーと思っていたけど、そんな理由で共通していたんですね
らんらん

らんらん