三四郎

四十二番街の三四郎のレビュー・感想・評価

四十二番街(1933年製作の映画)
4.8
🎼笑いと涙が交錯する街🎶
幕開けから粋でキザでかっこいい!
もうワクワクが止まらない!

電話電話電話、皆口々に「ジュリアンが演出する!」と言い、電話交換手のお嬢さん「私に教えてくれてんの?」笑
これまた微笑ましい演出!

田舎出の意外にお堅い生娘!?
自分がスターになれるチャンスなのに、自分の実力は主演級ではないとアッサリ言ってのける正直なアメリカンガール!!
義理でも人情でもない「あんたが憎くなるような舞台を見せて」と涙いっぱいためて言うスター女優!!!
もうもうもう「アメリカの良心いまいづこ!」と思わず叫びたくなるような傑作!
こんなに愉快で素敵な美しい映画ありませんよ!

生娘を舞台の花とするため鬼演出家が猛特訓!セリフも歌も何もかも缶詰で一対一!タップだけは最高らしいこの娘。
「恋したことは?キスしたことは?」 咄嗟に抱きしめ情熱的なキスをする鬼演出家!このシーンは惚れ惚れしちゃった。
そして「これでわかったか、さぁセリフを言ってみろ!」

監禁猛特訓の末、いざ開幕!
「いいか、よく聞けよ。200人の運命と5週間の血と涙がかかってる。みな君の仲間だ。ありったけの力を出して客を喜ばせるんだ。君自身と僕らすべての将来がかかってる。言うことはそれだけだ。後は君にまかせる。スターになって戻ってこい!」
感動しすぎて熱くなりすぎてメモした科白。この時点で鳥肌立って一人感涙。

列車内の新婚二人の初夜の描き方、新婦がカーテンから靴を出すシーン、エロチックだった。

最後は実にせつなし…アメリカ映画も感傷的に終わるのね…。ミュージカル映画苦手だけど『四十二番街』は最高!

字幕が気になってLDカバーを見ると、あの有名な字幕屋戸田奈津子さん。道理で科白が生きてたなぁ。

島津保次郎監督の『男性対女性』(1936/松竹)のタップタップタップシーンはこの作品から拝借したのかしら。しかし、哀しいかな、やはり本場アメリカには太刀打ちできませんわ…。俳優も、情熱的に演じなければね…。
上原謙はワーナー・バクスターにはなれませんし敵いません。それを見せつけられました。にしても、ドロシー役のビーブ・ダニエルズいい女優さんだなぁ、魅力的で美しいし歌声もよかった。
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