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劇場版 きのう何食べた?のagatheのネタバレレビュー・内容・結末

劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

基本的に邦画は見ないんだけれどこの作品は漫画から読んでいてドラマも見ている作品。珍しく邦画だけれども見たいと思った映画なので行ってきました。イオンシネマ新潟南、U-NEXTポイントで鑑賞。

一緒にごはんを食べる人が家族となる。
そんなコンセプトがずっと流れているこの漫画。
ドラマになって上手いこと配役したもんだと感心して見たんだけれど映画になってそれがグレードアップしてました。
配役も絶品に素敵なんだけれど漫画でのエピソードのちりばめ方が絶品。この脚本の人上手いです。安達奈緒子さんの名前は覚えておこうと思います。

漫画の時からわたしはケンジが大好きで、男でも女でもこういう好きな人に対する気の使い方は尊いと思うの。
そんなケンジがたくさん見れて大満足。
誰よりも乙女な故に微笑みを通り越して大笑いさせてくれるケンジなんだけれども、一緒に見ていた映画館のお客さんは誰一人声をあげて笑うことをしなかったんだけどなぜ?
私一人で大笑いするのも気が引けて笑いをこらえつつ鑑賞してました。
ねぇこの映画見た人、笑うシーンあったでしょう?なかったの?
冒頭の京都のシーンからケンジがかわいくてわらっちゃうシーンがきてもみんなおとなーしくシーンとしてみてるの。
あの乙女妄想とか、浴衣をシロさんに着せようと旅館の中追いかけっこするシーンとか、笑えない?
笑いをこらえることなく見たかったな。
この映画を見たせいか同じものをみて同じように笑える人と同じもの美しいと思って同じ者とおいしいと食べられるのが幸せなんだなぁとしみじみ思う。
最後の桜のシーンは美しかった。

ケンジのあの素直さと乙女な気遣いは学ぶべきだといつも思う。
素直にありがとう、ごめんなさいをちゃんという。
その場で照れくさくても後になってからでも、あのときうれしかった、あのときごめんなさいと言えるのは素敵だと思うの。漫画やドラマの性質上なのかもしれないけれど、おいしいご飯をちゃんとおいしいと食レポのように伝えられるのも愛情の一つの形だと思うのです。作っているシロさんがニコニコ聞いている穏やかさ。
日本人は大事な人にこそ言葉が減る傾向があるけれども、言葉が必要なことも多いのだと改めて思う。
そして大事な人の周囲の人を大事にするという気遣い。
これはなかなか出来るようで難しいことをケンジは微笑みつつやってのける。
いいなぁ、こういう人ってあこがれる。

性別でなく、人としての美しさ、優しさとはなにか?家族とは何か?幸せとは何か?
その問いかけが全部なんの変哲もない「普段の生活」の中に描かれているのが素敵だと思う映画でした。
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