Yuuki

マッド・ハウスのYuukiのレビュー・感想・評価

マッド・ハウス(2019年製作の映画)
4.0
家庭環境のトラウマから逃れて新しい生活を始めようとしていたサラは、とあるマンションの見学会に参加する。多くの見学者の中から管理人に気に入られ見事その一室に住むことを許され、住民たちに歓迎される。しかし夜な夜な金属のぶつかり合うような不快な音が聞こえたり、苦情の置き手紙が残されていたり、住民は明らかに言い知れぬヤバさに包まれている。何なんだ…な話

育児休暇でパワフル満点パパとして大車輪の活躍をしていると、まとまった時間が取れずどうしても1話50分ぐらいで終わるドラマに手を出してしまう…ということもあり、久々の映画。ちょっと前から気になってたやつなんだけど、評判通りの良さ!見りゃ分かるだろってくらいやべ〜カルト集団の巣窟から燻ってくる他の追随を許さないほどの不気味さの演出はかなりの完成度!そこから浅はかな自分の予想がことごとく覆る話の転がし方に、ラストはカリン・クサマ監督の「インビテーション/不吉な招待状」を彷彿とさせる絶望感のある"奥行き"の存在…。ミッドサマーとはまたベクトルの違う「狂ったコミュニティ」の描き方はかなり好みでしたね

主役のサラの人物造形は結構希薄で、結局このコミュニティに歓迎されてることを良しとしてるのかどうかが曖昧になってたり、日本人の自分が見てもわかるくらい演技がやや下手なところはあったかな?監禁中にあんなことされたらもっと狂いそうなほど痛がると思うけど!?あと、防犯カメラに映った9時と18時の映像での「日の傾き」が全く同じだったりという私にしか気づかないような細かすぎる粗は散見されるものの、全体としてはかなり最後の結末含めていい意味で楽しめる小粒だけど存在感の光る逸品かなと思います。敬具
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