くう

護られなかった者たちへのくうのレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
3.6
観終わって、「つら……」と声が出そう。彼にとってあの言葉は救いになったのかなぁ。

朝ドラを見ている身にとっては複雑な気持ちでしかない。モネは「救わなくては」というトラウマが大きすぎる(いえ、どこもリンクしてません。リンクしたら一大事…)

瀬々敬久監督特有の沈んだ映像があの地が、日本が、今も抱える問題を鬱々と映し出す。

完全な悪人はたぶん居ない、けれど、善人も居ない。「みんな疲れていた」が正解なのだと思うと辛いとしか言えず、外の地に住む私には偉そうなことは言えない。

自分にも余裕がないのに他人に精一杯尽くそうとするのは、たぶん誰でも難しい。

確かに人災だけれど、その一端を誰もが担っているのかも。

他のユーザーの感想・評価

きた

きたの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

想像以上に良かったです。
ミステリーというよりは、ヒューマンドラマの方がフォーカスされているような。
私は勢いで観に行ったため予備知識0だったので、ジャンルとか関係なく楽しめました。

ここでミステリーとしては…?と書かれている方もいますが、後で『ジャンルはミステリー』と言われたら、確かにミステリー要素が弱い…?
ジャンルを考えずに観るのがいいかもしれません。

サイレントトーキョーを観てても感じた、『犯罪者は犯人だけど、どちらの思想が正しいかと問われたら分からない』を、この作品でも感じました。

震災後の被災地の役所が実際どうだったかは分からないけれど、この作品上は、大変な状況だったよう。
役所の職員にも同情の余地はあるけれど、命に関わる仕事である以上、許せない気持ちを覚えてしまいます。
そして気になったのは『国や厚労省からの圧力』。
なんだか恐ろしい話です。フィクションかもしれないですが。

一個人も、一地方自治体も、声を上げなきゃいけない。


余韻がすごくて、この後MINAMATAを観る予定でしたが取りやめました。。。
hymasumin

hymasuminの感想・評価

4.0
生活保護と東日本大震災は別の問題だけど、震災孤児のような泰久くんとカンちゃんとお婆さんのけいさんの3人が家族のように絆を作り、母親のように慕うけいさんの生活困窮を救いたいというところが、震災と生活保護の接点。
難しい問題を社会に訴えた映画だと思います。
でも保護を受けるのは恥ずかしいと手続きをしない人はたくさんいるし、見かけは収入がない演出をして不正受給している人もいる。保護を受けながらベンツ乗ってる人も知ってるし..
日本は先進国ながら貧困率が高いのは世界的にも有名な話。
なかなか考えさせられた映画でした。
それでも涙腺刺激するシーンはいくつもあって「おかえりなさい」は切なすぎた。

佐藤健の目力が凄かった。言葉を語らず目で演じる演技力、阿部寛も目力ありますが、やっぱりこの2人が映画を引っ張ったと思う。
最後の2人のシーン、震災後9年間ずっと拭えずにいた心の底の塊が溶けていく阿部寛の表情が素晴らしかった。

せいじは、演技というより素でやってましたね、こういう役実にピッタリww
ロアー

ロアーの感想・評価

4.1
ミステリー仕立てのストーリーですが、実際は生活保護の問題を強く訴えかける社会派映画でした。殺人事件と社会問題と人間ドラマをうまく絡めてドラマチックに仕上げていて、中々巧みなお話だったと思います。

ここ最近ずっと阿部寛の出演作をいろいろ観ていたんですけど、今作では厳しい表情を浮かべる場面での阿部寛の顔の(特に目の)非対称性が際立って見えて、それが意図的にしろ無意識にしろ、場面に合っているな~ってつくづく思いました。一般的には左右対称な顔が美しいとされるものの、役者としての魅力を感じるのは非対称的な顔の人です。

W主演?の健さんは今回すごく尖がった役どころで、本当に何かやらかしてそうな近寄り難いオーラを全身から放っていて、キラキラアイドルっぽい健さんの印象とはガラッと違って別人のようでした。人を寄せ付けない不愛想な表情が映画の中で何度か変化する場面があるんですが、その落差がすごかった。すごく良かった。健さんのあまりの優しさに一番泣いた。

結局のところ、この凄惨な事件の関係者に心の底からの悪人は誰も居なかったんですよね(瑛太はちょっと分かりづらかったけど、お墓のシーンがあるからそういうことなんでしょ?)
この前観た「MINAMATA」でもそうだったし、今のコロナ禍においてもそうだけど、大きな災害や被害が起きた時って、人ひとり分の命の重さがたやすく変わってしまう。映画で描かれている東日本大震災が、貧困の直接の原因にも、命の重さに対する混乱や曖昧さの象徴にも感じられて、やっぱり中々巧みなお話だったと思います。

世間の大波に流されて消えてしまわないよう、自ら助けを求める声も必要だし、ラストの阿部寛の台詞から考えると助けようとする側も声を上げる必要があると受け取ったんですが、ただ、本当に一番必要なのは助けを求める声を”聴く耳”があるということ。必要な機関が必要な仕事をきちんと行える世の中になって欲しいと心から思います。

ところで、実は2点ほど気になった点があったんですが、阿部寛が「汚名挽回」と言っていて、いつ部下から「汚名を挽回してどうするんすか!」ってツッコミが入るのか待ってしまったのと、ダンサーはホントに必要だったのか?という、ね・・・(何か気が散っちゃって)。
ken

kenの感想・評価

3.6
【厳格と寛容】

社会のルールやシステムへの
疑問を感じる制度や問題へ
声を上げる事の大切さを感じた

本当に困っている人へ
国の支援が届いてほしい

《ただいま》《おかえり》
救われる素敵な言葉だ✨

佐藤健さんの目つきの変化に魅了!
桑田佳祐さんの泣きのバラード沁みた♪
佐藤健、阿部寛はじめ主要な俳優みんな良かった。最後のシーンが出来すぎな気がするけど涙があふれた。
映画館からの帰り道、うどんが食べたくなった。(帰り道にうどん屋さんあったけどコロナで去年潰れたんだった💧)
kohei1813

kohei1813の感想・評価

2.7

このレビューはネタバレを含みます

原作は中山七里の割には出来が悪かったのを覚えているが、映画の方もあまりいい出来とは言い難い。犯人は推理小説の常道で一番犯人に遠い者と決まっているが、女の子にしてしまったら、この犯行にはかなり無理がある。生活保護に対する辛辣な非難だが、民主党政権のあの頃は申請は全て受理するようにと通達があったはずで、そのせいで不正受給が横行したものだ。確かに生活保護ケースワーカーの中には性格の歪んでる者もいるが受給者にはもっと酷い奴らもいる。
まゆ

まゆの感想・評価

5.0
この映画でも清原果耶さんは朝ドラと同じく「おかえり」だったw

もちろん佐藤健さん目当てで見に行ったんだけど予想外に凄かったです、清原果耶さんの演技😳
アカデミー賞助演女優賞獲れるかも。

今まで見た映画の中で多分過去一泣いたんじゃないかと思うんだけど、特に佐藤健さんの泣くシーンでこっちまでめっちゃ泣いた😭見たあと泣きすぎてずっと頭痛💦

佐藤健さんの演技、歩き方を変えたり、照れたら左側の頭の後ろを掻きむしる癖で表現したり、目つきも鋭くて(それも剣心の時とはまた違う鋭さ)、ほんと佐藤健さんはすごい役者さんだと思う👏🏻


阿部さんは、数日前にテルマエ・ロマエ2見てたから、歩道橋走るシーンでルシウスがよぎって「( ´-ω- )フッ」っとなってしまったww


倍賞美津子さんてハウルの動く城のソフィーだっけ?と思ったら違った💦
姉妹?あの世代の女優さんがわからない💦


この映画の登場人物、殺された方も殺すほうも、関係者全員どこか正しい部分があるから複雑。

吉岡秀隆さんが演じていた政治家も、悪側として描いているんだろうけど、私から見たら一生懸命償おうとしているように見えた。


犯人がしたことも法律的には間違ってるのかもしれないけど、人間としての正しさとしては間違ってないんじゃないのかとさえ思う。


きっとそれぞれ個人の正義感の観点の違い。


そして、健さまがパンフレットのインタビューの中で語っていたとおり、この映画の大きなテーマは「水」だと思う💡

水は綺麗な所を流れている時は綺麗だし、汚い所を流れれば濁る。

それと同じだなと。



見ながら自分なりに色々考えて、エンドロール流れてiPhone開いたら佐藤健公式LINEから「ニット再販したよ」の通知のこのタイミングじゃないねん感ww

感動を返してくれ😂
あ

あの感想・評価

4.0
瀬々監督作品で一番好き。
問題提起とエンタメがバランス良く共存する、これぞ〈社会派ミステリー〉な傑作。

火葬の火のカットから火炎瓶(復讐の炎)に切り替わるシーンや、劇伴に頼らない演出に満足感。
原作を変えて勧善懲悪にしなかった分、余韻増幅。
(2021年作品25本目)
Kaito

Kaitoの感想・評価

3.6
あえて描く偶然偶然で世界を狭める

自分は強い人間ではないので、ある当事者たちの立場だったらエンディングのラスサビでキレて桑田佳祐のギターの弦切ると思う
potana

potanaの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

最初いったいどうなっていくのだろう?と
思ったけど、
かんちゃん=清原果耶ちゃんだったぐらいからぐんぐん話が繋がって進む感じ。
伏線の回収が最後の最後まで続く。
最後は10年近くたったから言える言葉か、
生きてるか死んでいるか分からない状態が続くことの苦しみから解放されるとかもあるのか
水がとても怖い理由を知っているから…
お礼を言える気持ち…重いです。

舞台で踊るシーンだけど疑問でした。

佐藤健くんも好きですが
清原果耶ちゃんも大好きです。

阿部さん、瑛太の演技も
他の方もみんなよかったです。
何気に有名な人いっぱい出てた。
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くうさんが書いた他の作品のレビュー

零落(2023年製作の映画)

3.5

趣里さん、伊藤 蘭さんによく似ているって、今回初めて思った。

出だしは何かのPVのように見せたいシーンだけが細切れになっているように感じたけれど、話にグイグイ引き込まれて、ラストは鳥肌。

何かの頂
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モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

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3.1

日本映画専門チャンネルにて視聴。

社会問題にもなっている80-50問題の一つでもある。老々介護ではなく、老若介助。

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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.9

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派手さはないけれど、静かな感動。

スピルバーグ監督を作り上げた血筋、家族の物語。


それにし
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