りょうこ

護られなかった者たちへのりょうこのレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
3.5
重かった・・・ハンカチ足りない・・・(涙)

サスペンスということ以外全く予備知識なしに鑑賞。
なにこれ、険悪な佐藤健、カッコイイな・・・。
30を過ぎている筈なのに、まだ男の子と呼べる風貌を残しているかと思えば、
寡黙で無口で冷たい空気を醸し出す大人の雰囲気も出せる。
「BECK」の時から演技力はあると思ってたけど、
最近ますます演じ分けが上手くなってる感が強い。

物語は意外に重い始まりで、
妻を亡くした阿部寛と、母を亡くした幼い少年が言葉を交わし、
「良かった・・・のかな」と言うところからうっとなる。
震災の2年前に被災した時に、気軽に「良かったね」と言われる辛さを思い出す。誰も分かってくれないあの辛さ。
重い重い思い出の中で、佐藤健とカンちゃんと倍賞美津子が肩を寄せ合うところから何かの予感が漂うあたり、原作がいいのか、監督がいいのか、役者がいいのかわからない、期待とも不安ともとれる複雑な空気が漂う。

事件の真相を追う中で被害者の生前のシーンが出て来るけど、
ここがまたキャストが良すぎるんだ。
若い頃大好きだった緒方直人が小物だけど真面目なのかそうじゃないのか分からない感じがめっちゃいい。
善人の塊みたいな顔してる吉岡秀隆よりずっといいわ(笑)
真犯人が出て来た時には「え・・・それ無理ない?」とつっこみたくなった以外は、どの役者もとてもいい仕事してました。
でも、重すぎる。二回は見たくない作品です。

2021.10.4 鑑賞