Sankawa7

護られなかった者たちへのSankawa7のレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
4.1
想像以上に良かった。
さすがアミューズによる企画と瀬々監督。

衝撃的な結末だった。

今なお多くが製作されまくる震災ものだが、場所は仙台、しかも生活保護受給に関する日本人的な恥の考えと、それらを後押しするような福祉事務所の職員たちのインテグリティの喪失と云うテーマ

誰もが認める人格者が受給審査にまわると一面悪魔のような振る舞いをしてしまっている極めて複雑な社会的テーマを抉った作品である。

震災から10年後、元福祉事務所の職員が放置餓死させられる事件をベースに、護られなかったものたちの悲哀、生活保護受給者になる事の日本人的な罪悪感、それを横で見ていた被災者達。

最近みた「空白」に近く被害者と加害者の曖昧な境目に放り出された若者たちを佐藤健、清原果耶が熱演。

事件を追う刑事役の阿部寛もまた家族を失った被災者であり、その独自の感覚が事件解決の手がかりとなる。

吉岡秀隆と宇野祥平がツボった。
永山瑛太の微妙に気持ち悪い演技は天才的。
大物ゲスト多数。

重かったがサスペンス性も高い良作
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