わんだーうぉーる

護られなかった者たちへのわんだーうぉーるのレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
4.5
2022年71本目。

公開当時から興味はあって、
配信を待ちに待ってた作品。
U-NEXTのポイントが付与されたので今回鑑賞。

日本アカデミー賞でも、
優秀作品賞へのノミネートや清原果耶の最優秀助演女優賞受賞など、
評価も高い2021年を代表する日本映画。

阿部寛が大好きなので自分の期待値も高かったですが、
非常に考えさせられる良作だった。

東日本大震災から時を経た現代の宮城県内の都市で、
全身を縛られたまま放置され、
餓死させられるという凄惨な連続殺人事件が発生。

被害者たちはそれぞれ「善人」「人格者」と言われていた男たちだった。

宮城県警捜査一課の笘篠誠一郎は、
2つの事件からある共通項を見つけ出す。

捜査線上に浮かび上がった容疑者は刑期を終えて出所したばかりの佐藤健演じる利根泰久。
犯人の決定的な確証がつかめない中で、
新たな第3の事件が起こり...という話。

とにかく清原果耶が素晴らしい。
『最優秀助演女優賞』も充分納得。

『生活保護』が大きなテーマとなっており、
実際に震災の影響で受け取らざるを得ない環境になってしまった方々と、
全ての人達を救うことは無理と言わざるを得ない側、両者の苦悩。

うん、難しい。

結局、被災者ではない人間からすると他人事でしかない訳で、
当事者の方々の苦しみはどうしたって全部理解することは不可能。
寄り添うことはできても。

自分が同じ立場だったらどういう行動をするだろう。
犯人の気持ちは、少なくとも自分自身は感情移入できた。

それでも、
「死んでいい人間なんていない」んだ。

観て、大満足でした。
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