Harigane

護られなかった者たちへのHariganeのネタバレレビュー・内容・結末

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

<あらすじ>
東日本大震災から9年後。
被害者が全身を縛られた状態で餓死する事件が相次いで起こると、放火によって服役し、刑期を終えて出所した利根泰久(佐藤健)が容疑者に上がる。
震災時に妻、息子を亡くした宮城県警の笘篠(阿部寛)は2つの事件を調べていく中、利根の素性も調べていく内にある真相に辿り着く・・・

<感想>
震災後の生活保護問題。
不正受給者が増加する一方、本当に必要な人が生活保護を受けられないという、あまりにも胸が痛む実情…😔
これはとても考えさせられるテーマの作品でした。

このタイトルが示す通り、護るべき人を護ることが出来ない葛藤が、強く感じられてきました。

震災で身寄りのない泰久と幹子(清原果耶)をわが子のように接して支えてくれたけい(倍賞美津子)。
彼女の愛情の深さには感動しました✨
「笑顔でいなさい そうすればみんな人はあなたに優しくしてくれっから」
どんな時でも笑顔でいることの大切さを説く彼女のこの言葉も好きでした。

大人になりケースワーカーとして働く幹子がSNSを通じて発した、
「あなたはひとりぼっちではありません。もう一度、いや何度でも、勇気をもって声を上げてください。
不埒な者があげる声よりも、もっと大きく、もっと図太く」
けい(倍賞美津子)が生活保護を辞退して餓死した事に対して、彼女のSNSでのこの問いかけはとても重要なメッセージであると感じました✉️

「生活保護は最初で最後のセーフティネット」
このセリフも凄く印象的でした。
護られない人が出てしまうことは、あまりにも悲しすぎます😣

ストーリーとしては驚きの展開もありましたが、切なくもありながらラストには感動する場面もあり、とても素晴らしい映画だと感じました✨
Harigane

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