カタパルトスープレックス

PIG ピッグのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

PIG ピッグ(2021年製作の映画)
4.3
ニコラス・ケイジが主演のドラマです。立て付けはサスペンスですが、むしろドラマの色合いが強い。色んな意味で「裏切る」映画です。

テーマは「喪失」だと受け取りました。ロビン・フェルド(ニコラス・ケイジ)はオレゴン州の山奥で隠者のような生活をしながらトリュフをとって生計を立てています。ある日、相棒の豚が盗まれてしまいます。ロビンは盗まれた豚を取り返すためにポートランドへ行くのですが……という話です。

ニコラス・ケイジと言えば変な映画でキチガイのような演技をするイメージが強いですし、ボクもそれを期待して本作のBDを購入しました。しかし、本作のニコラス・ケイジが演じるロビン・フェルドは確かに山奥にこもって隠者の要な生活をする謎多き人ではあるのですが、感情を押し殺してあまり表には出てきません。ある意味においてニコケイ映画の期待を「裏切る」映画です。

また、本作にサスペンスの要素を期待する人も「裏切る」と思います。人によっては落胆すると思います。少なくとも普通のサスペンスではないです。それでもなぜこの作品が高く評価されるのか。それはテーマである「喪失」の描き方だと思うんです。ボクも「裏切」られましたが、鑑賞後はとても胸にくる何かがありました。

これ以上はネタバレになってしまうので、コメント欄で。あ、あとニコケイは借金を完済できたようで、よかったですね!