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君が世界のはじまりのもちのレビュー・感想・評価

君が世界のはじまり(2020年製作の映画)
4.4
なんの予備知識もなく観に行ったのですが、本当によかった。むしろ、何も考えず観に行って良かったです。

今帰ってきて、自分の感じたことも考えながら、いろんなインタビューとか記事を読んでたんですけど、そういうの読まずに行ってよかったかも。先入観なく響きました。

映画の中では、いろんな世界線が決して無理矢理に交わることなく何本も進んでいて、それは目に見えるものでもあり見えないところでもあり、最後まで交わらない部分もあり、でもそこに何かを感じる瞬間もあり。きっと自分の生きている世界のすぐ隣にも、見えていない世界は当たり前のようにあって。冒頭のあの映像を自らの頭の中で重ね合わせることで 、それがいつでも自分のことになり得る不安。
でもそれは強さと表裏一体で、あの歌の力強さに繋がる。それが希望なんだな、と思える青春だった。

どの役者さんもすごく良かったんですが、気になったのは小室ペイさん。役者初挑戦のミュージシャンの方だったとは。やっぱり音楽を作る人って、お芝居に独特のピュアさと深さがありますよね。なんというか、すごく弱い部分の繊細さが絶妙で、めちゃめちゃ守りたかった。笑

片山友希さん、松本穂香さん、平成物語もまた観たくなっちゃったなぁ。金子大地くんも、すべての作品を観てきた訳ではないけれど、また、ドラマなどとは少し違う面が観れたような気もする。なんというか、ただ役に閉じ込めた膜というだけではないような表現力の幅、みたいな。

皆さん良かったので全部にはなってしまうんですけど、中田青渚さん(中学聖日記にも出てたんですね)琴子という一番インパクトの強い役だったけど、それが全然わざとらしくなくて、むしろすごく好きになれました。えんの気持ち、なんかわかるなぁ。

そして6人の中では「THE 普通」 な岡田を演じた甲斐翔真くんも、あの中では一番、登場してから最後までのイメージというか感じ方が変化したかも。それくらい、心の動きの表現が繊細で惹かれました。お父さん、お母さんなど、言ってみれば全然線では繋がらない登場人物が、観ている私の中で、全部が全部のきっかけとなり繋がっていくのが心地よかったです。

観終えてすごく、たくさん感じることもあったけど、めちゃめちゃ希望が見えました。今、この時に観ることができて良かったし、もっとたくさんの人に見てほしいし、今日の夕飯はお好み食べたい。笑