「パントマイムの神様」と称されるマルセル・マルソー。本人が語ることはなかった第二次世界大戦時のレジスタンスでの活動を、当時レジスタンスのリーダーで、マルソーの従兄弟だった男性の証言を元に作り上げられた物語。
シンプルな構成、展開、カメラ割りで、とても観やすい。
奇をてらったところは何もなく、どストレートな流れはある意味清々しい。
自分のことにしか興味がなかったマルセルが、ナチスに親を殺害されたユダヤ人孤児を助ける活動へ向かっていくんですが、マルセルを演じるジェシー・アイゼンバーグのその辺りの表情の変化がいいですねぇ。
まぁ相変わらず早口のアイゼンバーグ調でしたけど。
マルセルが心を寄せるエマを演じるクレマンス・ポエジー。毎回彼女を観ると「どこかで観たよなぁ」と思ってしまいます。「TENET」を観た時もそうでした（笑）いい加減覚えようっと。
それとパットン将軍役でエド・ハリスがチョロっと出ていますが、パットン将軍にマルセルのことを語らせるような始まりならば、要所で彼の語りを挿入してもよかったかも？
「復讐ではなく生命を繋ぐ」。こうしたメッセージは、シンプルな方が伝わりやすいと感じさせてくれる作品のように思われます。
