『ホテルローヤル』（2020）
北海道の郊外に佇む、しがないラブホテルの日常を、親のせいでいやいや手伝っていた主人公に、こたつでミカンを食べながら体験談を聞かされているような物語です。
最初はラブホテルならではの歪な肉体関係とか、心の均衡を崩した人たちの群像劇かなと思ったんですが、それよりも実際に経験したっぽい体験談の趣が強くて、けっして派手ではないけども不思議な説得力があるな～と。
ここでは従業員が通気口から漏れ出る痴態を、普通に盗み聞きしながら休憩を取っているんですが、面白い事に誰も盗み聞きしていることに疑問を持たないし、
お話として特段盛り上がる訳でもありません。
なぜならそれが彼女たちの日常だから。
また、この映画を通して（事件やそれっぽい出来事もそこそこあるのですが）結果的に主人公がそれほど成長しなかったというのも、それが体験談だからで、ある意味リアルだなーとｗ。
そんな風に、『ラブホテル』と聞いて濃いエピソードを期待する人には肩透かしになる可能性はありますけど、ラブホテルというなかなかお目にかかれない裏側の日常に焦点を当てていたのが面白かったな～と思いました。
https://youtu.be/a4xk3tRuePI
