このレビューはネタバレを含みます
当事者と傍観者
ラブホテルを経営する一家に生まれた主人公が、客の様々な人生模様を傍観する。
あくまで従業員として精一杯のおもてなしをしてきたつもりだった
似た境遇の人が死を選び 自分は生きている その差は何だろう
当事者にしか分からないことが頭の中でぐるぐる回り出す。
当事者ではないから痛みもない。
その痛みを感じるためには当事者になるしかない。
その一歩踏み出すための力の入れ方を教えてくれるのは、老いた父が弱々しく放った一言だった。
人間の欲望が集まる場所で育った女性が一歩踏み出すその姿に、少し勇気をもらえる作品。