ちろる

モンパルナスのキキのちろるのレビュー・感想・評価

モンパルナスのキキ(2013年製作の映画)
3.8
鉛筆のデッサンのようなものから、写真のコラージュ、水彩画みたいなものまで様々なタッチで8mmフイルムのような雰囲気で流されるとてもノスタルジックなアニメーション。
独特な語り口と、強烈なキキのビジュアルにどんどん引き込まれてしまって、ちょっとどんなのかなぁー?と後で観るつもりだったのに観るのを止められなくなってしまった。
描かれるのは1人のモンパルナスのキキと呼ばれた、アリス・プランという女性の一代記。

窮屈な生活に合わずに家を出て、第一次世界大戦の時代に様々な画家のヌードモデルなどをして過ごしたキキ。
藤田嗣治やモイズ・キスリング、マン・レイとの交流の一幕などキキにしか語れないエピソードが面白い。
意識高い系パリの社交場の「ル・ジョッケー」でユトリロに会ったり、その他様々な劇作家や画家との出会い華々しい世界に羽ばたく様子と、どうしても拭えない孤独との対比。
全然違うけど「嫌われ松子の一生」をふと思い出してしまった。
ユニークな絵なのに、キキのたまに登場する顔が少し生々しくて、どんな顔だろうとWikipedia調べたらいきなりヌードから出てきて驚いた。
おキレイな方でした。
映像のおかげなのか、この優雅な時代にタイムスリップしたような感覚になれて良い作品です。
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